【キーパーソンに聞く】ロールス・ロイス、BMWを歴任したマクラーレン新CCOの意外な戦略

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「私がマクラーレン・オートモーティブにきて発見したのは、ブルース・マクラーレンが設立したレーシングスピリットが、今も強く息づいていることです。レーシングと私が勤務するオートモーティブがひとつ屋根の下にいて、なによりもエンジニアリングを重視して製品を開発する姿勢は、両社に共通しています」

インタビュー会場になった東京都内のホテルで、ウィルヘルムスマイヤー氏はそう語る。

マクラーレンF1チームは2024年シーズンのシリーズチャンピオンに輝いている(写真:McLaren Automotive)

オーナーとのかかわりを強化

ウィルヘルムスマイヤー氏がマクラーレン・オートモーティブで現在の職務に就いたのは、2025年1月。ロールス・ロイス・モーターカーズ社(RR)でセールス&ブランドディレクター、続いてBMWで上級管理職を務めた経験を持つ。

「ヘンリクは、自動車産業で培った経験と、ラグジュアリーなブランド構築の知識をもたらしてくれるでしょう」

マクラーレン・オートモーティブのミシャエル・ライターズCEO(今は英国風にマイケル・ライターズと呼ばれている)は、上記のコメントを発表している。

ドイツ人のライターズCEOは、ポルシェを経て、フェラーリでチーフ・テクノロジー・オフィサーを務めた経験の持ち主だ。私は2022年、フェラーリ本社でライターズ氏にインタビューしたことがある。

ミシャエル・ライターズCEO(写真:McLaren Automotive)

フェラーリのビジョンを語ってもらうためだったが、そのとき広報担当者が、なんとなく渋々という態度だったので、“らしくないな”と思っていた。

そのインタビューの直後にマクラーレン・オートモーティブへの転籍が発表されて、おどろいた記憶がある。

「私がマクラーレン・オートモーティブでやりたいと考えているのは、オーナー様とのかかわりを、これまで以上に強めていきたいということです。私が思うに、マクラーレンのような会社ではこれこそが重要なテーマなのです」

ライターズCEOが引き抜き、チーフ・コマーシャル・オフィサーに据えたウィルヘルムスマイヤー氏は、マクラーレン・オートモーティブにおける自分の役割を説明する。

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