【キーパーソンに聞く】ロールス・ロイス、BMWを歴任したマクラーレン新CCOの意外な戦略
「私たちがいま考えているのは、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)の機能強化です。ここに大きな商機があるとみています。特に日本市場などでは、自分だけのクルマに仕立てたいという要望が多いと聞いています」
「ほかに類がない」とか「ウルトラ・エクスクルーシブ」とか「アート作品」などとマクラーレン自身が定義するMSO。“究極のカスタマイズ”をマクラーレンのプロダクトに施すサービスだ。

「大きくふたつの方向性が求められていると思っています。ひとつは、車両の軽量化。マクラーレンは、軽量かつ高剛性の炭素樹脂の技術をふんだんに使っていることが、競合への優位性となっています。オーナーはその先を求めているので、たとえばこれまで炭素だけに黒一色だったカーボンファイバーに色をつける技術を開発しています」
「もうひとつは……」と、ウィルヘルムスマイヤー氏は続ける。
「カスタマイズです。たとえば内装。『これまでになかったものにしたい』というご要望をお持ちのオーナー様も多くいます。幸いMSOには高いカラーリングの技術がありますので、世のなかに1台しかないマクラーレン車を仕上げることが可能なのです」
ウィルヘルムスマイヤー氏は、さらにつけ加える。それは顧客のコミュニティづくりだ。

サーキットを「走らない」人にも
「サーキット走行を好むオーナーも多いので、走行会などの機会をより増やしていきたいと考えています。同時に、そうではない顧客もしっかり視野に入れていきます。それは、同じようにマクラーレン車を好む人たちと“つながりたい”と考えている顧客のための、コミュニティづくりです」
ウィルヘルムスマイヤー氏は、ロールス・ロイス時代にオーナーコミュニティの大切さを見てきている。
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