【産業天気図・家電/AV】競争激化止まらず。勝ち組、負け組の差さらに拡大

家電・AV業界は07年度もグローバルでの激しい競争が繰り広げられそうだ。その過程で「勝ち組」と「負け組」の差は一段と拡大しよう。
 松下電器産業<6752.東証>、シャープ<6753.東証>の上位2社は安定している。松下は看板商品のプラズマテレビがソニー<6758.東証>、韓国サムスン電子を始めとした液晶陣営との競争激化で、勢いにやや陰りが見られる。だがデバイス、白物家電などで稼げるのが今の松下の強み。増益基調に変わりはなさそうだ。
 シャープも着実な成長が続きそう。国内で圧倒的な勢いを誇る半面、海外ではブランド力の弱さや40インチ以上の大画面サイズのラインナップ不足から苦戦が続いていた。ただ昨年、40~50インチ台の大型テレビを効率良く生産できる亀山第2工場が稼働。薄型テレビ最大市場である北米での販売拡大が見込めそうだ。49歳という異例の若さで社長に就任する片山幹雄氏の手腕にも注目が集まる。
 ソニーは07年度、収益が急浮上する見通し。復活を期す本業のエレクトロニクスは、赤字が続いていたテレビ事業が06年9~12月期で黒字転換。販売も好調で、来期は通期で黒字を見込めそうだ。さらに06年度に計上したノートPC用電池回収費用512億円がなくなることも収益を押し上げる。
 ただし問題も抱えている。次世代ゲーム機「プレイステーション3」の動向だ。超高性能半導体やブルーレイディスク再生機能などソニーの最先端技術を詰め込んだために製造コストが跳ね上がり、実は、売れば売るほど赤字という“逆ザヤ”状態が続いている。会社側は半導体の生産効率改善や量産によるコストダウンで07年度下期には逆ザヤ解消を狙うが、足元の販売は伸び悩んでいる。普及はこれからだが、先行きは不透明だ。
 一方、厳しい状況なのが三洋電機<6764.東証>と日本ビクター<6792.東証>だ。三洋は半導体、白物の不振が続いているうえに構造改革費用なども重い。さらに2月には過去の決算への粉飾疑惑が浮上しており、追い込まれているとさえ言える。経営陣の刷新など抜本的な改革が不可避な情勢だ。
 日本ビクターも業績不振にあえぐ。主力のリアプロジェクションテレビは、プラズマとの競争により、どん底で浮上の兆しも見えない。親会社・松下による株式売却が既定路線となっているが、この売却の行方いかんにかかわらず、利益を稼ぎ出すには大規模なリストラが必要となろう。
【中島順一郎記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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