
偶数のBMWモデルは、スタイリッシュさをセリングポイントとしていて、メルセデスが初代「CLS」(2005年)で採用したボディコンセプトを引き継ぐような形で、今は2シリーズをはじめ、4シリーズ、6シリーズ、(2024年に生産中止になった)8シリーズに採用している。
ことボディスタイリングの面において、BMWとメルセデス・ベンツの関係はおもしろい。
メルセデス・ベンツが初代「GLEクーペ」を2016年に発表した際は立場が逆だった。「機能よりスタイルを優先したSUVが市場に受け入れられるか自信がなかったけれど、BMWがX6(2008年)で成功したのをみて、発売しようって決断したんです」と、私はメルセデス・ベンツの開発者から聞いたことがある。
性能とデザインに加えて利便性が際立つ

BMWの2シリーズは「スポーティで俊敏なハンドリング性能に、優雅なデザイン」を併せ持っていることが特徴だ。グランクーペでは加えて「高い利便性」をうたう。
4ドアのボディは、荷物の積み下ろしが便利で、車体が比較的コンパクトな2シリーズであっても、小柄な人なら問題なく後席に乗っていられる。そこが4ドアのグランクーペが持つ「利便性」だ。
私が2シリーズ グランクーペをじっくり眺めて思ったのは、凝縮感だ。パワーが内部から車体をぐっと押し出すような、力強さがみなぎっている。それでいて、たたずまいは、BMWの説明どおり優雅さを感じさせる。今でも魅力を失っていない初代3シリーズを連想させるモデルだ。
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