東ドイツの面影「ベルリンの鉄道」90年代の記憶 戦前製電車が「壁」で寸断された路線を走った街
それが仇となって、東西統一後も旧西ベルリン側にはトラムがほとんど走っていないという状況が生まれてしまったが、統一から30年以上が経過した現在、再び旧西側の市街地へもトラムが延伸されつつある。
1990年代半ばのベルリンのトラムはチェコのタトラ製車両が大半を占め、一部の路線に旧型のゴータ車が使われていた。ゴータ車は2軸単車で、今やドイツ国内では風前の灯となっている車両だが、当時はまだベルリン市内の一般路線で使用されていた。

主力はチェコ製、低床車は「黎明期」
現在の欧州で主流となっている低床車はまだ黎明期で、ベルリンにもアドトランツ製(当時)のGT6N型が走り始めたばかりの時代であった。これは熊本市電に導入された9700形と同型の車両で、ベルリンに導入されたのは3車体連接式だった。当時は走行できる路線が限られ、ワルシャワ・シュトラーセ駅から出ている20番だけに使用されており、旧型のトラムばかりの市内で、この路線だけが輝いて見えた。

先日、熊本市電の9700形の一部が廃車になったと報じられたが、ベルリンのGT6Nシリーズも新型に比べて非冷房であるなど設備が見劣りするため、まもなく置き換えられることになるだろう。
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