森川亮は「世界的スター」の育成を目指す

動画サービス「C CHANNEL」の未来<1>

――日本テレビの敏腕プロデューサーとして知られた三枝孝臣さんと組んだ理由は?

彼は日テレの同期。なんとなく飲みながら、このままでいいのかという話をよくする仲でした。彼も気持ちは若いので、「何かをやって日本のメディアを変えたい」と言っていて応援する気持ちだったのだが、僕もLINEを辞め、どうせなら本格的にやろうかということで、こういう形になりました。

部下という感じではないし、彼なりのセンスやこだわりに期待したいですね。彼が担当するクリエイティブ領域には、こうしなければダメだという縛りのようなものはないので、どれだけ情熱をもって取り組めるかが大事。彼の「こうしたい!」という気持ちを形にしてほしいと思っています

――三枝さんは、森川さんのスピード感についていくのがやっとだと言っているますが。

われわれも年が年だから(笑)。もちろん経営者としてスピード感を大事にしています。サーフィンのようなもので、波に乗り続けないと波に飲まれてしまう。落ちたらおしまいです。

LINE時代のようなスピード感を重視

――それはベンチャーを立ち上げた直後ゆえの危機感でしょうか。

ビジネスは勝つか負けるかで、経営者は負けるためにやるわけではありません。「勝つ」とは、最後まで波に乗り続けるイメージに近い。僕の場合は企業に投資もしているし、いろいろな会社のネットワークがあって、誰が今、どこで何を考えているかは、たいていわかっている。その経営者たちが動画ビジネスの準備をしているのもわかっているので、速いスピードでやらないと当然追い抜かれてしまいます。

彼らに追い越されないようにするには、LINEの時にやったようなスピード感でないと勝てません。アジア圏では、韓国と中国はスピードが速い。最近、すでに中国ではC CHANNELのパクリブランドができており、それに負けないようなスピードで動かなければダメです。

今回のビジネスの場合はソフトウエアとコンテンツがあって、コンテンツ領域はなかなか真似できない。ましてや人間が出て動画を作って、それをシステムに組み込むという、いろいろなレイヤーがあります。食材が体によくなければ本当に健康な料理は作れないという意味ではC CHANNELのビジネスは難易度が高い。でも、だからこそ海外にそのまま持って行ける強みがある。ただし、この形についても、みな真似をしてきていますね。

――とても手間がかかるように思いますが、丁寧なものづくりは大切なのでしょうか。

本質的にクオリティが高い動画とは、画質ではなく中身の話。面白いかどうかです。一般的にみて、オープンな世界には面白くないものが圧倒的に多く、そこから面白いものを探すスタイルになっています。

だから、すぐに面白いものが出てくる環境を作るのが肝。ただ、時間とおカネを使うと採算が合わないので、いかにそれを使わずに仕組みを作るかがポイントになります。仕組みを作りつつ、アプリなどで自動化できるものを省力化し、プラットフォーム化して世界に普及させるイメージです。

最終的な成功の鍵は、人気者か優秀なクリエイターがそこにモノを乗せたいと思うインセンティブをどれだけ作れるか。そのために必要なボリュームを作ることに注力しています。

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