「うちの子も早く塾に入れないと・・・」”中学受験準備の早期化”に焦る親が注意すべき「2つの落とし穴」

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<落とし穴①>
論理的思考力の発達を追い越して先取りすると理解がともなわない

子どもの学年や発達段階を飛び越え、上の学年の内容を学習させることを先取り学習といいます。公文式などで、どんどん先に進んでいく子っていますよね。先取り学習は悪いことではありませんが、「先に進むこと」自体が目的化してしまうと問題が発生します。

理解がともなわないまま、表面的な解法だけを丸暗記してしまう子が多いからです。5~6年生の子が習うような特殊算の解法を、3~4年生の子に暗記させることはできます。暗記したことによって、5~6年生の子が取り組むような問題を解けるようになります。

思考力が育たなければ、知識の応用は難しい

しかし、そうしたやり方が通用するのは簡単な問題だけです。入試で求められる思考力は「なぜその解法が成り立つのか」「どのように応用できるのか」を理解しなければ育ちません。この思考力が育たなければ、より難しい問題に直面したとき、知識を応用することが難しくなります。

こうした丸暗記をしてしまうのには、子どもの発達段階にも原因があります。年齢1桁までの子どもは脳の働きがまだ暗記型で、論理的に思考する力の成長はゆっくりです。

ですから、5~6年生の子が習うような公式や解法を、本当の意味で理解するための脳のスペックが備わっていないのが普通です(もちろん発達が早く、苦もなく理解する子もいないことはありませんが希少です)。

だから、難しすぎる内容をやらせると、理解がともなわない暗記をしてしまうのです。これは無理のないことなのです。

しかし、低学年の段階でこうした暗記の習慣を身に付けてしまうと、問題の背景や本質を理解しないで機械的に問題を解こうとする学習スタイルが定着してしまいます。後々「このやり方ではダメだ」と気がついてもスタイルの変更は困難で、その結果、成績が頭打ちになることが多いのです。

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