よみがえった女子プロゴルフ--アイドル続々登場 男子尻目に成功の好循環

続いて、横峯さくらという好敵手も現れ、話題性にも事欠かなかった。その後、宮里が米国に拠点を移したが、07年は超大型選手が頭角を現した。21歳という史上最年少で賞金女王を勝ち取った、上田桃子だ。彼女を核にまさに「実力勝負」の見どころが多いシーズンとなった。

その上田の活躍で「すばらしい費用対効果を享受した」と、他社羨望の的となった企業がある。彼女が被るキャップ右側のロゴでもおなじみ、所属先(08年1月まで)の加賀電子である。

同社は東証1部上場の電子部品商社だが、一般的な知名度は高くはなかった。下山和一郎専務は「普通の人は何だろうと思いますよね。でも、上田選手の活躍のおかげで会社のホームページのヒット数が格段に増え、IRにも効果絶大でした」と語る。

優勝と同時に米ツアー出場権獲得につながった「ミズノクラシック」最終日で、上田がアルバトロスを達成したときはメディアにも大々的に取り上げられた。これを広告宣伝費に換算すると、約4億円(試算)にもなるという。

ゴルフトーナメントプロデューサーの戸張捷ランダムアソシエイツ代表取締役は、男子と比較しながら女子人気を分析する。「男子は世界で通用するかが問われるが、女子はかわいい子があんなに飛ばす、一所懸命な姿に感激するというような視点がベースにあり、世界で通用するかはその次。つまり、男子と違い、国内で帰結するスポーツだ」と言う。

野球、サッカーを筆頭に、男子のプロスポーツは世界最高峰のリーグや試合に人気が集まる傾向がある。ゴルフの場合も、タイガー・ウッズが活躍する米国ツアーが最高峰だが、その中で「現在の日本の男子は地方巡業と一緒でスケール感がない」と、戸張氏は男子ゴルフ低迷の要因をズバリと言い当てる。

戸張氏は独自の発展を遂げる欧州ツアーに注目。「中東や中国などアジアでも、試合を開催するようになった。そうすると、中国をマーケット対象国と考える企業がスポンサーに名乗りを上げるようになっていく」。経済、企業がグローバル化する中で、ゴルフツアー自身がコンテンツとしての魅力を高めなければならないとなると、石川遼人気に頼るだけでは復活は厳しい。

08年はキヤノン、トヨタ、パナソニックといったグローバル企業が男子ツアーのスポンサーに登場し話題となっているが、はたしてこの好機を生かせるのかが、試金石となる。

「女子の場合はジュニア育成が実を結んでいるし、今後も有望な選手が次々と出てくるはず。10年は安泰」(前出・川相氏)。実力主義の徹底で新陳代謝が進むとなれば、女子プロゴルフの隆盛は、男子を尻目にまだまだ続きそうだ。

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