≪年間100万食≫売り上げるも地元・愛知ですらちょっとレア「ポンポコラーメン」の製造会社が”豚骨風ラーメン”で世界から大注目のワケ

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ヴィーガンも食べられる!の豚骨「風」ラーメンで世界へ

その反面、いくら安心・安全な商品を作っても、BSE(狂牛病)などが世界規模で発生すると、動物性の食材や添加物が少しでも含まれると規制の対象となり、大きなリスクを背負ってしまう。それを回避しようと、海外でも通用するISO9000(品質マネジメントシステムに関する規格)、さらにFSSC22000(食品安全マネジメントシステム認証)を取得した。

豚骨風ラーメン
「たぬき親父の逸品」シリーズの豚骨風ラーメン。ほかにもピリ辛ラーメンやピリ辛まぜそば、やきそばがある(筆者撮影)

そんな中で誕生したのが、「たぬき親父の逸品」と名付けられたシリーズ商品である。パッケージを見ると、豚骨「風」と表記されている。

「牛や豚、鶏のみならず、卵や牛乳など動物性の食材を一切含まない商品になります。食に関わる取引規制はかなり厳しく、国内では販売できる商品でも海外輸出では規制対象になるケースも多いのですが、長年培った技術力でクリアすることができました。これまで袋麺とカップ麺、棒ラーメンなど合わせて約50種類の商品を開発しました」(山本さん)

取引規制の対象となるのを回避すべく開発した商品だったが、嬉しい副産物もあった。宗教上の理由などで豚肉や牛肉を避けなければならない国で暮らす人々に受け入れられたのだ。結果、さらに海外からのOEM受注が増えることとなった。

カップポンポコラーメンしょうゆ味と大盛カップ米粉入りポンポコラーメン
カップポンポコラーメンしょうゆ味(左)と、麺に米粉を使用した大盛カップ米粉入りポンポコラーメン(筆者撮影)

現在、山本さんが取り組んでいるのは、小麦粉を一切使わない、いわゆるグルテンフリーの米粉を使った即席麺の開発である。健康を心がけている人や小麦粉アレルギーに悩む人にとっては待ち望んだ商品と言ってもよいだろう。昨年11月に発売した「大盛カップ米粉入りポンポコラーメン」は、米粉を約20%使用しているが、めざすのは米粉100%の即席麺だ。

「少し前までは余った米を米粉にしていたため、安価で入手できたのですが、米不足による価格の高騰で米粉も値上がりしました。さまざまな障壁をクリアせねばなりませんが、ニーズがある以上、社運をかけて取り組んでまいります」(山本さん)

信頼性のある日本のメーカーによる動物性食材不使用のスープとグルテンフリーの麺を組み合わせたラーメンは、きっと世界を席巻するに違いない。

永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー

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ながや まさき / Masaki Nagaya

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。

地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに記事と写真を提供。

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