≪年間100万食≫売り上げるも地元・愛知ですらちょっとレア「ポンポコラーメン」の製造会社が”豚骨風ラーメン”で世界から大注目のワケ

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アウトレット店には10食入り500円の激安商品も

アウトレット店とは、2022年に設立したポンポコフーズが自社商品の販売を手がけるショップで、第1号店は本社工場の敷地内にオープンした。昨年には豊橋市三ノ輪に2号店、同市柱町に3号店がオープンしている。開店当初はコロナ禍だったこともあり、各地でインスタント食品が品薄となっていた。量が少なくても欠けていてもいいので売ってほしいという客からの声に応える形でオープンしたのだった。

第1号店に行ってみると、所狭しと商品が並び、どれも安かった。とくに簡易包装されている即席麺は10食入りで500円、600円と激安だった。これらは規定の麺量よりもわずかに少なかったり、逆に多かったりして商品として出荷できない、いわゆるB級品である。味そのものはまったく問題がないので売れ行きも好調だという。この日も平日であるにもかかわらず、ひっきりなしに客が訪れていた。

アウトレット
アウトレット店の店に並ぶ10食入りの即席麺(筆者撮影)

また、コロナが5類に移行した2023年5月からは地元農家の採れたて野菜やブラジル、ベトナムなどの食品、韓国のコスメなども取り扱うようになった。そのさまはさながら「道の駅」のようである。

「店舗を通じて消費者と直接つながることで、商品開発に役立つヒントや潜在的なニーズなど得られるものはたくさんあると思っています。店舗運営のノウハウを構築していき、フランチャイズ展開も視野に入れていきたいと思っています」(山本さん)

年間約100万食を売り上げるロングセラーのポンポコラーメンやアウトレット店から好調ぶりが伝わってくるが、自社商品が占める売り上げは全体の約2割。残り8割はOEM事業だという。とくにここ最近は、海外からのオファーが相次いでいる。

山本直輝さん
山本製麺麺製造部製造課長の山本直輝さん。入社前は別の製粉会社で働いていた(筆者撮影)

「20年ほど前になりますが、台湾や香港への輸出を足がかりにアジアや北米、オーストラリア、ヨーロッパへと販路を広げて、販売先は20カ国以上にも及びます。弊社は製粉から製麺まではもちろんのこと、即席麺の商品開発から製造、販売までをワンストップで展開していて、小ロット生産にも対応していることが強みだと思っています」(山本さん)

海外からのオファーが多いのは、日本へラーメンを目当てに外国人観光客が訪れるほど世界的なブームになっていることもあるが、日本の食品メーカーは安心できるという信頼からであろう。

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