駅のキオスクが「セブン」に替わる日は来るか 次々とコンビニに切り替わる駅売店が歩む道

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東京メトロとローソンが展開する「ローソンメトロス」

京急、JR西日本以外に、セブン-イレブン・ジャパンはJR四国とも業務提携を締結。管内にあるキヨスク店舗のセブン-イレブン化を順次進めている。JR北海道も、札幌エリアの主要駅構内でセブン-イレブンを展開している。

ファミリーマートも鉄道会社との提携に熱心だ。東武鉄道、相模鉄道、つくばエクスプレス、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、JR九州など10数社と契約を締結し、店舗を展開している。

西武鉄道とは「トモニー」という新ブランドで出店を開始。2013年までにすべての駅売店をトモニーブランドで統一した。2014年には京成電鉄とも業務提携を結び、同社の駅売店のファミリーマート化に着手している。

ローソンは東急電鉄の駅売店ブランド「トークス」と組んで「ローソンプラストークス」30数店を展開している。今年4月には東京メトロと組んで、地下鉄駅構内の約50店をローソンに転換すると発表。9月には秋葉原や赤坂見附で「ローソンメトロス」がオープンした。

JR東日本は独自路線を貫く

国内最大の鉄道会社であるJR東日本は、コンビニ展開をどのように考えているのだろうか。

同社は「キオスク」(JR東日本は「キオスク」と表記)約350店に加え、コンビニ「ニューデイズ」を約500店展開している。ニューデイズの全店舗売上高は1000億円に迫り、コンビニ業界では第8位にランキングされるほどの規模だ。ここにキオスクを加えれば、JR東日本の販売力は大手コンビニに引けをとらない。

ニューデイズ1店舗当たりの平均日販は59万円。これはローソンやファミリーマートの平均日販を上回る数字だ。さらに、キオスクのコンパクト空間とコンビニの品ぞろえを融合させた「ニューデイズ キオスク」という新型店もスタートさせ、独自の進化を目指している。

大手コンビニと提携したある鉄道会社の幹部は、「大手ブランドへの衣替えで売り上げが増えても、ロイヤルティを差し引くと、利益はさほど増えない」と語る。こう考えると、独自の展開を進めているJR東日本がコンビニと手を組む可能性は小さそうだ。

鉄道各社による駅売店のコンビニ化の動きはまだまだ続く。朝夕の通勤ラッシュ時、売店で新聞、雑誌、タバコを買うと、店頭のおばさんが瞬時に暗算でお釣りを手渡す。その一瞬のコミュニケーションには独特の魅力がある。こうした光景がだんだん減っていくことに一抹の寂しさもある。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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