駅のキオスクが「セブン」に替わる日は来るか 次々とコンビニに切り替わる駅売店が歩む道

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コンビニになったことで、売れ筋は新聞や雑誌、タバコから、おにぎりや弁当などへ変わった。また、ATMが併設されている店舗もあり、銀行に行く時間がない人が手軽に現金を引き出せるメリットもある。「従来の駅売店と比較すると、女性や学生など、新たなお客様が増加した」(京急)。

近年、駅売店を大手コンビニへ転換する動きが相次いでいる。

コンビニ各社にとって、路面店での展開は激しさを増す一方だ。道路を挟んでライバル店が向かい合うばかりか、同じチェーン同士が近隣地区に出店し、客を奪い合うことも珍しくない。その点、駅ナカは競合店がなく、乗降客を独り占めできる。集客力では路面店を上回る。

鉄道会社にとっても、商品開発力や店舗運営力に長けた大手コンビニと組めば、顧客利便性が高まり、売り上げを伸ばせる。駅ナカ出店は鉄道会社とコンビニの双方にメリットがある。

京急以外でも進む「コンビニ化」

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セブン-イレブンに転換したJR西日本のキヨスク店舗

北陸新幹線開業から半年が経っても、その活況ぶりが続いている金沢駅。改札外にある駅弁売り場では、富山の駅弁「ますの寿司」が定番人気の座を占める。

一方、新幹線ホームにあるセブン店舗では、多くの乗客がおにぎりサイズの「ますの寿司」を買い求め、新幹線に乗り込んでいく。大ぶりの「ますの寿司」を買わない客も、おにぎりサイズならつい買ってしまう。こんなところにセブンのマーケティングの妙がある。

JR西日本は、自社のコンビニタイプの店舗「ハートイン」や小型店舗「キヨスク」(JR西日本は「キヨスク」と表記)を2014年6月から順次、セブンへ転換している。キヨスクは駅のコンコースやホーム上など狭い場所に設置されているため、セブン商品を絞り込む形で展開するという。一方、ハートインについては、店舗面積が広いため、セブンの商品を幅広く展開する。

今年8月時点でセブン店舗は100店に達した。最終的には、約500ある店舗をすべて転換する。「セブン-イレブンになって、駅が明るくなった、便利になったという声をお客様からよく聞きます」(ジェイアール西日本デイリーサービス・チェーン事業本部の中村一志氏)。

売れ筋はおにぎり、サンドイッチ、お弁当、デザートなど。加えて、「夕方にはお惣菜もよく売れます」(中村氏)。セブンに転換した店舗は、転換前と比較して売上高が約50%増加したそうだ。

ただ、駅ナカ店ならではの苦労もある。駅構内にあるということで、路面店よりも面積が狭かったり、店舗の形状が異なったりするため、商品陳列で工夫が必要となるのだ。

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