南海電鉄、泉北高速鉄道「合併」で何が変わるのか 利用者は歓迎、約10億円の収入減はどうする?
だが、同社の提案では値下げ額が10円と低かったことで沿線自治体や住民から反発の声が相次ぎ、府議会も同社への売却案を否決。その後、府は随意契約で南海への売却を決定し、2014年7月に南海の子会社となった。それから約10年を経て、完全に南海と一体化することになったわけだ。
合併によって路線名は南海の「泉北線」となり、駅のナンバーもこれまでの「SB01~SB06」から「NK88(深井)~NK92(和泉中央)」に変わるほか、泉北高速の車両に入っていた「SEMBOKU」のロゴは2024年12月以降「NANKAI」に変更されている。南海によると、車両のカラーリングについても「順次変更の予定」(広報担当者)という。

「運賃値下げ」を大々的にPR
だが、南海や泉北の電車内、そして駅に張り出された合併を告知するポスターなどで、なんといっても目立つのは「運賃値下げ」のPRだ。
3月19日から走り始めたラッピング電車も、南海がスポンサー契約を結ぶ泉北沿線出身のプロゴルファー、高木萌衣選手の写真や泉北高速鉄道のキャラクター・せんぼくんのイラストとともに「新!運賃」を強調。難波駅ホームのラッピングには「NEW泉北線 運賃が値下げ」「日本一運賃が高いって言わんとってな」といった文言も躍る。

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