BMW「第6世代バッテリー」でEVはどうなる?いよいよ見えてきた「ノイエクラッセ」の中身

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2台はセダンとSUVで、SUVは秋にミュンヘンで開催される自動車ショーでの発表となりそうだ。第6世代のバッテリー、OS X、それに「スーパーブレイン」というコントロールユニット搭載の新型車になるだろう。

ノイエクラッセに搭載されるOS XによるパノラミックiDrive(写真:BMW)
ノイエクラッセに搭載されるOS XによるパノラミックiDrive(写真:BMW)

スーパーブレインは、従来のさまざまなコントロールユニットを4つに統合した制御コンピューターで、先のドクター・ポストは「たとえば、ドライブシステム、制動、エネルギー回生、ステアリングの補助的ファンクションといったドライビングダイナミクスに関する部分の制御を、従来のシステムの10倍の速度で成し遂げます」という。

ドライビングにまつわる性能や燃費は上がる一方で、先述したようにバッテリーの設計まで見直した結果、ノイエクラッセの「eDrive」の製造コストは従来型比で50%の低減となるそうだ。「それがクルマの価格引き下げにもいい影響を及ぼします」とドクター・ポストはつけ加える。

ただし「EV全振り」にはしない

ここまで書いてきた“ノイエクラッセ”とは、BMW独特の用語で、そもそもは1961年に発表した新世代の中型乗用車の総称だった。そこから「5シリーズ」や「3シリーズ」につながり、今日のBMWのいしずえを築いている。

1960年代に誕生した元祖ノイエクラッセ(写真:BMW)
1960年代に誕生した元祖ノイエクラッセ(写真:BMW)
2026年発表予定だというセダン型の新生ノイエクラッセ(写真:BMW)
2026年発表予定だというセダン型の新生ノイエクラッセ(写真:BMW)

第6世代のバッテリーを搭載するBEVは、「BMWの新しい時代を象徴する」という意味において、やはりノイエクラッセとされたのだ。市販される際には異なる車名がつき、場合によっては、既存のラインナップの中に組み込まれるかもしれない。

このプレゼンテーションとともに今回の取材で印象的だったのは、BMWがバッテリー工場の新設や、ミュンヘンの本社工場を増築して、ノイエクラッセの生産ラインを敷設することだ。

軽量部材のラインを拡充しオートメーション化を大幅に推し進めている(写真:BMW)
軽量部材のラインを拡充しオートメーション化を大幅に推し進めている(写真:BMW)

ただし、「バッテリー駆動のEVに現時点からすべてのアセットを注ぎ込むという考えはない」と、ドクター・ポストは語る。

「私たちは、顧客のあらゆるニーズに対応する、最善のパワートレインを提供したいと考えています。重要なのは、BEV、プラグインハイブリッド(PHEV)、高効率のエンジン、それに将来の水素で走るフューエルセル(FCEV)と、最新技術の可能性を常に追求して、トップランナーでいることです」

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すでにさまざまな技術で、ドライバーを楽しませてくれているBMW。新世代のバッテリーパックを搭載したノイエクラッセの市販モデルが、どんな振る舞いを見せてくれるのか。実車にお目にかかれる日を心待ちにしよう。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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