「自分のことで忙しい」人が結婚する3つの条件 53歳新婚さんが結婚するまでの長い軌跡

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「時々していましたよ。最後に付き合ったのは、長期出張先の新潟で出会った取引先の女性だったかな。私が東京に戻って来てからは遠距離恋愛になり、別れてしまいました。海の仲間にも『かわいいな』と思う女の子は何人かいたけれど、告白をして気まずくなりたくないと思い、そのまま仲良くしていたら他の男性と結婚してしまいました(笑)」

身近な女性に告白してフラれたくない、という気持ちはわかる。しかし、食事に誘ったりして好意を軽く示し、相手の反応を見ていれば、「自分に気があるか否か」ぐらいは判断できる。「玉砕」をする必要はないのだ。浩二さんはよほど不器用かつ心配性なのか、それとも「海の仲間」をとても大切にしているのか。おそらく両方が当てはまるのだろう。

「男は保守的だし、カッコつけだからですよ」

仕事や海のつながりではなくても独身の女性と知り合う機会はいくらでもあるが、浩二さんは積極的には出会いを求めなかった。「日々の予定がキツキツで回っている。充実しているし、ひとりでいることも平気」という理由からだ。

「平日は朝早くから夜遅くまで働いています。土日も川か海に出かけるので朝6時起きです。リバーのカヤックにハマっていた頃は山小屋に泊まって翌日も練習をしていました。各地で開かれる大会にも出ていましたよ。楽しかったなあ。上手な人と一緒に練習するとすごく勉強になるんです。彼らは川の中での体の動きを論理立てて理解して、『ここがダメだから遅くなった。だからこうやって練習しよう』なんて考えられる。身体感覚が繊細なんですよね!」

カヤックについて夢中で語り続ける浩二さん。この調子であっという間に歳月が流れ40代後半になっていたのだ。同じ時期にカヤックを始めたひと回り年下の仲間も30代半ばになると次々に結婚し始めた。そのうちのひとりが浩二さんを心配し、紹介してくれたのが世話オバだった。ちなみに、その仲間の妻は世話オバのコアメンバーである。

「世話オバが設立したばかりの頃で、お見合いパーティーの男性が足りないからと頼まれて参加しました。知人からの頼みでなければ、絶対に行きませんでしたね。なぜかって? 男は保守的だしカッコつけだからですよ。はい、私もそのひとりです(笑)」

保守的というのは「現在の生活を変えたくない。結婚によって行動を制限されたくない」という意味らしい。カッコつけとは、「オレは結婚相談所を利用するほどモテないわけではない」というプライドだ。実際、会社の同僚には今でも世話オバのことは明かせず、妻のことは「知人の紹介で出会った女性」と説明しているという。

筆者も晩婚男性であり、今では「お見合いおじさん」活動を個人的に行っているので、浩二さんの気持ちはわかる気がする。今すごく困っているわけでもないのに、なぜ他人の世話になる必要があるのか。

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