3月大統領選のロシア、政治も経済も転換期、資源依存から脱却できるか

 政治的混乱嫌いプーチン氏を消極支持

硬直化した社会主義経済から市場経済へ転換する過程で、プーチン首相の功績があったのは確かだ。だが、再選されたとして1期6年(再選可能)、その前が2期8年の政権運営は、ロシア国民には長すぎるようだ。大統領になる直前の1999年に勃発した第2次チェチェン紛争以降、紛争の制圧では高い評価を受けたものの、その後のチェチェン勢力によるテロ対策で見せた豪腕ぶりや、自分に都合の悪い報道を流すメディアへの抑圧ぶりには、今でも嫌悪感を示す市民は少なくない。

今回の大統領選への出馬を表明した昨年後半から、モスクワなどの大都市では反プーチン運動が起き始めた。同12月に実施された下院選挙では、結果に不信感を持つ市民が集まり数万人規模のデモを実施。大統領選1カ月前になる2月4日も、大規模なデモが行われた。

だが、「それでもプーチンは再選する」と断言するのは、作家の佐藤優氏だ。その理由は、「再び、90年代の混乱を起こしたくないという心情が強いため」という。

佐藤氏はこう説明する。第2次世界大戦でのドイツとの戦争のように、外国の混乱に巻き込まれることをロシア人は最も恐れる。しかも、90年代のソ連邦崩壊後でも、欧米的な市場主義の導入で、最高で2500%にも達したインフレなど、経済的混乱に苦しめられた。二度の混乱を経験し、これ以上の混乱が生じるのはごめんだ、という意識が強い。

さらに、ロシア人はもともと政治を“悪”だと考え、選挙とは候補者が上から降ってくるものであり、そんな悪い者の中から“より”悪い者を選ばないようにするためのもの、と考えている。そのため、今回は消極的支持としてプーチンに1票を投じる人が多い。そういう背景を理解すべきと、佐藤氏は指摘する。

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