アンテナが「ハフポ」との契約を止めた理由 メディアを「質」で選別する時代が始まった

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杉本社長は次のようにも言う。

「オリジナリティがなくても、まとめかたが秀逸、というメディアはある。しかし、われわれがそれを助長したくはない。ビジネスモデルの一つの歯車に組み込まれてしまうのは本意ではない」

「日本人は民度が高く、その商品がB級なのかそれ以上のものかは五感でわかる。ところが、ウェブメディアにはB級が溢れてしまっている。この流れを変え、多くの日本人に本物の記事に触れてほしいという思いがある」

杉本社長の主張に、共感を持つメディア関係者は多いはずだ。

他社はどうするのか

もちろん今回、"品質の低いメディア"として排除された側にも、反論はあるだろう。

複数の記事をまとめて見せる記事、あるいは長文のニュースをざっくりと解説する記事は二次創作物と言えなくもない。そこでは一定程度の創造性が発揮されていることは間違いない。

二次創作物を作っているメディアの目線では、自前で取材をしているメディアよりも創造力を発揮しているとの自負があるかもしれない。実際、取材をしたといっても、記者会見を伝える記事などがソックリであることは、頻繁にあることだ。記者を雇うことで「形式としてのオリジナリティ」を備えているメディアにも、課題は突きつけられている。

アンテナは新しいステージに進んだ。このアンテナの決断を受けて今後、ヤフー、グノシー、スマートニュースなどは、どのような対応をするだろうか。大いに注目されるところだ。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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