除染ガイドラインに異議あり 目先のコスト論より長期的な配慮が必要

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除染ガイドラインに異議あり 目先のコスト論より長期的な配慮が必要

昨年12月、環境省から除染ガイドラインが公表された。時間当たり追加被曝線量0・23マイクロシーベルト以上が測定された地域という基準に従って、4月以降本格的な除染作業が始まる。伊達市、南相馬市、川俣町など国が主導する先行エリアに続き、福島原発周辺102自治体が対象となっているが、作業の基準となるのがこのガイドラインだ。だが、これには、放射線に対する安全対策という観点からこれまであまり指摘されてこなかった問題が存在する。

見積もりに甘さ

ガイドラインの内容は、汚染状況の調査方法から、建築物、道路、土壌、街路樹や森林を含む草木などの除染方法や記録の取り方、作業者の安全確保など、多岐にわたり事細かに取り決められている。除染作業後、収集した土の処理についても、具体的な方法について、全3章のうちの1章を割いている。

集められた汚染土壌は、飛散を防ぐため土嚢(どのう)やフレキシブルコンテナバッグ、ドラム缶などに詰めて仮置き場に搬送。仮置き場ではビニールシートで覆った上から盛り土し、3年後までには中間貯蔵施設に移す。そして30年以内に福島県外で最終処分、としている。

だがある自治体関係者は、仮置き場から中間貯蔵施設への移動期間は「とても3年では済まない」と言う。中間貯蔵施設の設置場所の選定から地元の了承を取り付けるだけでもかなりの時間がかかるうえ、現状では施設は相当大掛かりなものにならざるをえない。そうなると設計、資材の発注・生産から搬入、建設期間を入れて「少なくとも7年は必要になるのではないか」と見る。

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