「人事の仕事は楽しくない」と言う人は損している…「人事の超プロ」が導く、人事で成果を上げる方法

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もう1つは、会社の中はもちろんですが、世の中に通用する力を身につけて、辞めたいときに辞められる状態にしてあげること。「どこにも行けない人材がうちにいる」ではなく、「どこにでも行ける人材がうちにいる」という状態が理想です。

その状態になれば、優秀な社員ほど辞めません。他にいく必要がありませんから。

新卒だったら30歳前後までに外に行ける人材に育てる。中途だったら自社にいて何年かキャリアを積めば外に行けるような人材に育てる。入社してくれた人が転職してしまうのは残念ですが、人を育てるとは、そういうことだと私は考えています。

「辞めてもどこにでも行ける」と思えることほど、社会人として幸せで安心できることはないのではないでしょうか。会社の業績を伸ばすために、人を育てる仕組みをつくり、その運用を頑張る。社員はキャリアステップで成長し、世の中で通用する人材にしていく。人事部時代もコンサルになった今も、私は常にそれを目標にしています。

どうしたら会社が良くなり、社員が幸せになれるのか

社員が働くことに喜びを持ってくれて、やったことでちょっとでも評価されて報われる。私は新卒1年目から、そうした環境づくりに取り組んでいました。上司に「現場を回れ」と言われていたので、現場を歩き回って管理職に話を聞いたり、何か問題が起こっていたら、解決できるよう努力したりもしていました。

ほとんどの問題は最終的には何とかなりましたが、その過程は結構しんどかったです。社内の課題解決に取り組んでも「人事はどうせヒトゴトだよね」と言われて「だから人事(ヒトゴト)って書きますよね」とやりあったりしたこともありました。

ミーティング
(写真:horiphoto/PIXTA)

転職先の会社でコンピテンシー(成果を上げるために欠かせない行動)による評価制度を導入すると、現場からは「コンピテンシーでめしが食えるのかよ」といった反発もありました。

「俺の評価は下げてもいいから、部下の評価を上げてくれ」と管理職に懇願されて「いやいや、そういうことじゃないでしょう」と、人事評価の意味を浸透させていくことに苦労したりもしました。

特に大変だったのは、人事異動です。新卒から4〜5年間も同じ職場で同じ仕事だけをしている社員は、他部署で通用しなくなってしまう場合があります。どこかで異動を働きかけないと、「そこでしか通用しない人材」になってしまいます。

しかし異動させたくても、そこで経験を積んだ社員を現場は離したがりません。現場の抵抗が強く、そうした葛藤で苦しむことは多かったです。

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