東京理科大「数学で出題ミス」広がる学生の動揺 どこが出題ミスだったのか?徹底解説する
数学に慣れている人であれば、「確かに、そんな操作を挟んだら部分分数分解できない形になってしまうだろう」とある種、直感的に理解できると思います。
もう少し言語化するならば、A_2nを部分分数分解するには、例えば「A_2n = (n+1) × (何か)」のような形になることが必要です。
実際、問題を改変した後のA_2nを見てみると、表のような値になり、確かにA_2nは (n+1) × (何か) の形に分解できていることが分かります。

だから、原文のように、「端の点2つをあえて数えない」操作を行うと、表のように綺麗に分解することはできないだろう、と予想ができるのです。
もちろん、出題を担当している大学の先生方がこのような数学の論理の部分でミスをすることは考えづらいため、このミスは「問題作成時に≦と< を打ち間違えた」という単純なミスである確率が高そうです。
ちなみに、大学以降の微分積分学や解析学の知識を仮定すれば、出題ミスのほうの値を求めること自体は可能です。また、難関大学の入試では、確かに高校の範囲を逸脱した難しい問題が出題される場合はあります。
数学ができる受験生ほどドツボに
ですから多くの受験生は、「これは出題ミスではなくて、こういう問題なんじゃないか?」と考えて、躍起になって解いてしまった人も多いのではないかと考えられます。はっきり言って、この問題に対して「解けるはずだ!」と考えて時間を使ってしまった受験生は本当に可哀想だと思います。しかも、数学ができる受験生であればあるほど、「なんか解けそうなんだよな。見落としがあるんじゃないか?」とドツボにハマってしまう問題なのです。
この問題から得るべき教訓としては、「出題ミスがある可能性があるので、1問に拘泥せず、どんどん次の問題を解いていこう」という意識を持つべきだということです。今回のように理科大のような難関大学でも出題ミスは発生する可能性があります。ぜひこれから受験する人は気をつけてください。
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