ライズ/ロッキー/ヤリスクロス購入者の違い トヨタ・ダイハツ「コンパクトSUV」のリアル

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40~50代の分布で各車に大きな差はないが、60代以上を見てみるとヤリスだけが50%を超えている。

「軽自動車ではないコンパクトなクルマ」の条件で選べば、ヤリスのようなコンパクトカーは取り回しがよく、燃費も良いためベストな選択肢になるのだろう。

「ヴィッツ」や「パッソ」といったコンパクトカーからの乗り換えニーズも多い「ヤリス」(写真:トヨタ自動車)
「ヴィッツ」や「パッソ」といったコンパクトカーからの乗り換えニーズも多い「ヤリス」(写真:トヨタ自動車)

トヨタのSUV戦略と若者のニーズ

今回はライズ/ロッキーの購入者層を、サイズや価格が近いトヨタ車/ダイハツ車の購入者と比較しながら見てきた。

ダイハツとしては、登録車のラインナップを増やすことで、軽自動車ユーザー以外の顧客獲得や軽自動車ユーザーからの乗り換え需要が期待できる。LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上が見込める点が、ロッキー導入の功績であろう。

外観に合う道具感を持たせたデザインの「ライズ ハイブリッド」のインテリア(写真:トヨタ自動車)
外観に合う道具感を持たせたデザインの「ライズ ハイブリッド」のインテリア(写真:トヨタ自動車)

トヨタとしては、ダイハツからOEM供給を受けることで、ヤリスクロスよりも小さく、異なるデザインテイストのSUVをラインナップできたことがメリットだ。

これによりライズ、ヤリスクロス、カローラクロス、RAV4、ハリアー、クラウン(クロスオーバー/スポーツ)、ランドクルーザー……と、コンパクトからラージまで各セグメントを網羅できるようになり、ユーザーの選択肢をより幅広くしている。

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特にサイズや価格が近い都会派のヤリスクロスは、アウトドア的なライズとうまくすみ分けができているといえるだろう。ヤリス購入者の多くが中高年であることを考えると、いま若者が選ぶエントリーカーは、ライズ/ロッキー、ヤリスクロスのようなコンパクトSUVなのだ。

【図表】もう一度、今回の分析データを図表で見直す
三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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