β版が4日で蒸発、花王「お得アプリ」を使ってみた マーケティングの常識を変える2つのメリット

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筆者は今回「Kaoコレモ!」経由で動画広告を視聴することで、新商品を認知することはもちろん、知らず知らずのうちに購入していた商品が花王ブランドであることに気づかされた。花王側も「家庭で使っている生活用品の多くが実は花王ブランドであるという点に気づいてもらいたい」(広報担当者)との狙いがあったという。

このようにして認知度を高めることで、購買意欲の向上やリピート購入が期待できる。SNSではこのアプリをきっかけに花王商品を購入したという声もあり、花王の狙いがピタリとハマったといえるだろう。

もう1つのメリットが、花王商品をどのような属性の人が購入しているかなど、消費者の具体的な理解が深まる点。動画広告視聴後のアンケートなどを通じて、商品訴求の改善点なども調査可能だ。従来であれば、商品ごとに外部企業に委託しなければいけない調査を手軽に行うことができ、コストや調査時間の効率化も期待できる。

従来のSNSマーケと何が違うのか

かつて盛んに行われた試供品配布は、SNSの普及に伴い、SNSを通じたプレゼントキャンペーンなどに置き換えられてきた。しかし、商品ブランドごとにSNSのアカウントが運用されることが多く、単一商品でのキャンペーンが主流。そのため、消費者に単一の商品名は知ってもらえたとしても、同じ企業の別商品の告知につなげることは難しかった。

また、当選した数百人程度のユーザー情報しか得ることができず、限定的な消費者像しか把握できないという課題もあった。これでは、店頭で不特定多数に試供品を配布するのと効果の面で大差がなかった。

これに対して、「Kaoコレモ!」は花王の商品全体を対象にしているため、情報を得られる消費者数の拡大が見込めることに加えて、花王全体としてのブランド訴求が可能だ。さらに、前述のような消費者像の解析などの問題点も解決できる。

3月31日までβ版として検証される本アプリ。花王広報担当者は「検証結果が良好だった場合、2025年中には正式版をリリースしたい」と意気込んでいる。

布村 昌俊 ライター

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ほむら まさとし / Masatoshi Homura

マスメディアを経て、現在は一般企業に勤務。学生時代からポイ活に励み、今まで貯めたポイント数は100万円分を超える。

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