「話がおもしろい人=コミュ力高い」わけではない 「自分の考えをどう伝えるか」より大事なこと

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そんなことはありません。「話はうまくないけどコミュニケーション力が高い人」もたくさんいます。コミュニケーション力が高い人に共通することは、話がうまいかどうかではありません。それじゃあ何なのか?

それはズバリ「視点の理解」でした。「言語化」の前に「視点」というのが大切で、相手の「視点の理解」こそが、コミュニケーション力を高めるポイントだったのです。

たとえば、意見が対立したとき、私たちは自分の意見を主張しあい、まるでケンカのようになることがあります。しかし、そんなときは、あることをするだけで解決することがわかっています(デンバー大学の研究)。

それは、お互いの視点を相手に伝えるということでした。

このことを脳科学では「視点の理解のコミュニケーション」と呼びます。意見が対立したときに、お互い感情的になって自分の意見を押し付けることは、コミュニケーションにおいては最悪の事態です。

勝ち負けを決める競技であれば、押し付けも意味があるでしょうが、コミュニケーションのゴールは「相手に伝わること」「お互いにできるだけ理解すること」ですよね。そのためには、自分が言いたいことを言うのではなく、「相手の視点の理解」が大切なのです。

コミュニケーションが下手な人は、「自分の考えをどう伝えるか」ばかり考えます。一方で、コミュニケーションがうまい人は、「相手がどうしたら理解してくれるか、相手にどうしたら伝わるか」を考えています。似ているようで、思考のベクトルが真逆なのです。

どうでしょうか。伝わるために話し方の練習をするとか、言語化力を高めるためにインプットを増やすとか、そんなことの前に、「相手の視点を理解する」。このことを知っているだけであなたの伝え方は大きく変わるはずです。伝え方がうまくなりたければ、「相手の視点を理解するコミュニケーション」。これが一番大切なことなのです。

相手の頭の中を「質問」で観察する

相手の視点を理解するためには、相手の頭の中を想像することです。そうはいっても、いきなり想像するのは難しいですよね。

「相手の立場に立って考えましょう」

何度も言われてきたことがあるのではないでしょうか。

また、伝え方や話し方の本でも、「相手ベースで考えよう」「相手が何を知りたがっているか考えることが重要です」と書かれている本が多くあります。でも、そのたびに「相手の立場に立て、考えろ、と言うけれど、どうやればいいんだ! それを教えてくれよ!」と思ってしまう人も多いでしょう。

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