「話がおもしろい人=コミュ力高い」わけではない 「自分の考えをどう伝えるか」より大事なこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その手の本を読んだときにはなんとなく「なるほど」とわかった気になっても、いざ実践しようとなると、なかなかうまくいかない。

そこで、理解するための道具になるのが「質問」です。質問を通して相手を理解していきます。質問を活用して相手の頭の中を観察していくのです。

たとえば、意見の対立が起きてしまった場合。

「私はこう思っている!」と自分の意見を相手に押し付けようとしてしまうことはありませんか。でも、この押し付けは脳の特性を考えるとNGです。

自分の意見の押し付けは、相手の理解を生むことにはつながりません。むしろ反発を買う可能性が高く、マイナス効果です。

理由は、人間の脳にあります。脳は「快感」を感じたときに言葉を受け入れやすくなる。相手からの押し付けは快感を生みません。また脳は言われたことと逆のことをしようとする特性もあります。だから、マイナス効果なのです。

意見が対立した相手の「視点」で考えてみる

では、意見が対立したときはどうしたらいいか? 対立したときは相手の視点で語ることです。

「あなたはこう思っているということですか」というように、相手に質問します。そうすれば、対立ではなく「いい議論」に変換することができます。相手の視点の理解をしたうえで、価値観や感じ方など認知のズレをなくすために「質問」を使って相手とチューニングしていくのです。

上司:「最近、この仕事はどう? うまく進んでる?」

部下:「 うまくお客さんとやり取りができなくてストレスなんですよね」

上司:「 そうか。きみはさ、まず言葉の使い方とか敬語から直していったほうがいいかも」

部下:「えっ敬語ですか」

後日、上司は、部下にマナー本をポンと手渡して、こう言いました。

上司:「とりあえず、これ読むことから始めてみたら?」

部下:「……」

こんなふうに、部下から仕事のストレスについての話があったとします。上司は自分の感覚で「お客さんとのやり取りがうまくいかないのは部下の話し方に問題がある」と決めつけています。その改善のために本を部下に渡してしまう。

次ページ部下からしたら「とんちんかん」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事