「話がおもしろい人=コミュ力高い」わけではない 「自分の考えをどう伝えるか」より大事なこと

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これは部下からしたら、「この人は何を考えているのか? 自分の悩みに対してとんちんかんなことを言っている」。そう思っています。

上司と部下との視点のズレが生じます。これを「認知のズレ」といいます。

そこで、相手に質問をしながら、「お客さんとのやり取りがうまくいかないのはどの部分にあると考えているのか」、そして「それによってどんなストレスを感じているのか」と、その理解の解像度を上げていくのです。

「感情」の部分をスルーしてはいけない

具体的にはこんな感じです。どんなところがうまくいかないと考えているか? それはどこに原因があると考えているか?

また、ストレスに対してはこんな質問をしていきます。いま、正直どんな気持ち? それは「怒り」か? 「悲しい気持ち」か? 「不安な気持ち」もしくは「怖い気持ち」か?

『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

こういう感じで、できるだけ具体的に聞いていきます。

「初めて挑戦する仕事なので、すごく怖い気持ちがあります」

部下の感情の根っこがわかれば、対策もとりやすいですよね。

私は、いろいろな人から相談を受ける機会が多いのですが、同じような悩みを持っていても、人によってその背後にある感情はまったく違います。怖いと感じる人もいれば、不安と感じる人もいるし、やる気がしないと感じる人もいる。そこをまず理解することが最初のステップです。

相手の気持ちを正確に理解するためには、相手の情報が必要です。その情報収集を質問でするのです。相手の気持ちを「質問」を使って聞くことが、相互理解につながるのです。

仕事でよくあるのが、この感情の部分をスルーしてしまうことです。何か課題が生じたときに、その課題の改善策だけを提示して、背後にある感情は無視されていることがよくあります。

だから、いくらお互い話をしても、理解できなかったり、わかりあえなかったりすることが生まれるのです。どんな感情がベースにあるかを知っておくことは、コミュニケーションをうまく生かせる必須要素です。

西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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