乗る日が違うと料金4倍、欧州「鉄道切符」の不思議 割引豊富だが「新幹線感覚」で飛び乗ると高額に

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ユーロスター
イギリスと欧州大陸を結ぶ国際列車「ユーロスター」。同じ区間でも日によってチケット価格が大きく異なる=パリ北駅(筆者撮影)

欧州の都市交通では最近、クレジットカードのタッチ決済が急速に普及している。筆者が住むロンドンでもICカード「Oyster(オイスター)」が使われているが、今ではクレジットカードのタッチ決済で簡単に乗車できるようになった。このおかげで市外・国外からの観光客にとってもロンドンの交通利用が非常に便利になっている。

しかし、問題は長距離列車に乗るときのシステムだ。新幹線の切符がいつ買ってもほぼ一定の金額であるのに対し、欧州の長距離鉄道は日本とは異なる運賃体系となっている。日本の新幹線の感覚がかえって裏目に出て、慣れない旅行者を戸惑わせることも少なくない。いったい何が違うのだろうか。

片道4万円、でも最安8000円?

日本からの卒業旅行シーズンが到来し、2月に入ってからロンドンでも日本人学生の姿をちらほら見かけるようになった。そんな学生と話す機会があった。ロンドンでの楽しい出来事をあれこれと語ってくれたが、突然表情が曇った。「どうしたの?」と尋ねると、こう返ってきた。

「明日、パリに列車で行こうと、値段を駅で聞いたら『片道で4万円を超える』って言われたんです。帰国も迫っているのでどうしようかと……」。さっきまでの饒舌さが消え、途方に暮れた様子だった。

【表と写真】事前割引と直前購入でこんなに違う!欧州の代表的高速列車の運賃を比較。各国の高速列車や格安列車、今では利用者が減った駅の切符売り場の様子も
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