乗る日が違うと料金4倍、欧州「鉄道切符」の不思議 割引豊富だが「新幹線感覚」で飛び乗ると高額に
ロンドン―パリ間は国際高速列車「ユーロスター」で約2時間40分。日本でいえば東京―新大阪くらいの時間距離だ。そこで新幹線のグリーン車より高い料金を提示されたら驚くのも無理はない。
「いつもこの値段なら仕方ないんですが、今月の最安値を調べると片道39ポンド(約8000円)だって出てくるんです。この仕組み、どうなっているんでしょうか?」
欧州の鉄道運賃は、需要と供給のバランスによって変動する。つまり、日本でいえば鉄道の切符よりも航空券に近い。
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乗車日や購入時期で4倍以上の差
基本ルールは「早く買えば安く、遅くなると高くなる」というものだが、ただし、「早く買えば必ず安い」というわけでもない。繁忙期や週末、特定の時間帯といった条件で大きく変わるほか、各国の祝日や展示会などのイベントに重なると価格が高騰する場合もあり、旅行者にとっては手ごわいシステムだ。
ユーロスターの例を見てみよう。2月20日時点で予約可能な9月6日発までの間で、予約サイトのカレンダーには各日の最安値が表示される。ロンドン―パリ間往復チケットは最安の日が片道44ユーロ(約6940円)。ただ、これはあくまでその日の最安便の価格であり、同じ日でも最も高い列車は125ユーロ(約1万9600円)だ。
一方、最安値でも片道189ユーロ(約2万9840円)という日もあり、実に最安の日と比べれば4倍以上の差がある。ちなみに同日の最高値の列車は214ユーロ(約3万3780円)にもなる。同じ区間の列車でも、日程や乗車時間によって7000円以下から3万円以上まで変動するのだ。
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