若い世代が続々入居する「いい感じ」な団地の秘密 埼玉・草加市 シェア工房や菜園・ピザ窯付き

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コミュニティのある暮らしをしてみて驚いたのは、居心地のよさ。

「団地に帰ってくるとね、1階に温かい笑い声とともに明かりが灯っているのがわかるんです。それを見るとね、すごくホッとするんです。安心感、居場所があるというか、ご近所さんと仲良くなるとこんなに心地よいものか、と、驚いています。

もともと子どもの声が聞こえてくるとうれしいな、と思うタイプなのですが、今はさらにその思いが強くなっていて。休日の朝、子どもたちの声で目が覚めると幸せだな、と感じます」(紗季さん)

ミノリテラス草加
ミノリテラスの1階にいらっしゃる運営のみなさん。これから入居者のみなさんと「ミノリテラス草加」の物語がはじまるんですね(写真提供/東武鉄道)
ミノリテラス草加
人が自然と集まる1階部分。ミノリテラスのコミュニティを創造する中心的な場所です(写真提供/東武鉄道)

ほどよく、心地よく、いい塩梅

「ぼくたちだけで未来を描くのではなく、住民のみなさんが参加して、つくっていけることが大事だな、と。私たちはそれを支える側。みなさんのやりたいことを引き出して、みんなが居心地のよい場所にしていけたら」と小嶋さん。

ミノリテラス草加
根本さんが出会い、「ミノリテラス草加」のカギとなった小嶋さん(写真提供/東武鉄道)

コミュニティマネージャーが、団地のイベントを企画・運営する側になってしまうと、住民はサービスの受け手、消費者になってしまいますが、住まい手が自発的にイベントを考え、実施すれば、「仲間」になります。

とはいえ、義務、当番制になってしまうと住民の負担は大。ほどよく、心地よく、いい塩梅。数字には見えにくいですが、この絶妙な仕切りが現代のコミュニティマネージャーの腕の見せどころなのでしょう。

現代の生活では、「もっと広く」「便利に」「快適に」という数字で測れる指標に重きが置かれています。ただ、数字でわかることはごく一部ですし、ものごとの一面に過ぎません。もっとゆるっとした感覚で、「なんかわかんないけれど、心地よいよね」「居場所がある感じ」「言葉にできないけど好き」。

そうやって住まいやまちを選ぶ。そんな感覚重視の住まい選びが、令和に支持を集めていくのかもしれません。ミノリテラス草加には、そういったことを感じられるソフト面・ハード面のまちづくりの工夫が、たくさん詰まっていました。

●取材協力
東武鉄道
草加文化室インスタグラム
ミノリテラス草加HP
ミノリテラス草加インスタグラム

取材・文/嘉屋 恭子

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『SUUMOジャーナル』編集部

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