若い世代が続々入居する「いい感じ」な団地の秘密 埼玉・草加市 シェア工房や菜園・ピザ窯付き

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「住棟を抜ける風が心地よいんですよ。近隣の方も中庭を気に入ってくださる方も多いんです。中庭には、鉄道で使われなくなった枕木を再利用しています。物件を視察にきた鉄道事業者の方は気づいていましたね(笑)」(寺﨑さん)

ミノリテラス草加
1階にウッドデッキを造作。中庭のシンボルツリーにはブランコ。心地よいですね(写真撮影/刑部友康)
ミノリテラス草加
スペースを活かして、シェアサイクルを導入。敷地に余裕があるからこそ、こうした共有設備の導入も可能です(写真撮影/刑部友康)

草加市の活性化につなげる

こうした建物や中庭のプランニングと並行して、東武鉄道の根本さんが着目したのが、当時草加市産業振興課が行っていた「リノベーションスクール」です。

リノベーションスクールは、草加市が掲げる「そうかリノベーションまちづくり構想」の取り組みの一環として、市内外から集まった受講生が「ユニット」と呼ばれるチームを組み、市内の遊休地を活用する事業提案を行い、草加市の活性化につなげる、というものです。

「東武鉄道として、どうやって地域の価値を高めるか、まちとしての交流を生み出すか。そこをずっと考えていました。その時に、草加市の「リノベーションスクール」の存在を知り、この取り組みと何か連携できないかと考えました」と根本さん。

その後、実際にリノベーションスクールに参加し、そこで「ミノリテラス草加」のカギとなる人物と出会います。それが、草加市内ですでに「シェアアトリエつなぐば」という施設を運営していた、小嶋直さんと松村美乃里さんです。

「シェアアトリエつなぐば」は【DIO(Do it ourselves)欲しい暮らしは私たちでつくる】のコンセプトのもと、草加市内の新田駅から徒歩15分ほど離れた場所に存在するカフェやアトリエが混在する複合施設で、週変わりでさまざまな人がお店を切り盛りし、老若男女問わず多くの方の交流の場となっています。

「この施設の風景を見たときに、ぜひこの人たちと「ミノリテラス草加」をつくっていきたいと思った」と東武鉄道の根本さんは言います。

そんなきっかけから話が進み、最終的には、団地の1階の4区画を住宅から店舗にコンバージョンし、その4区画は、小嶋さん、松村さんらが後に設立する「(株)ソウカブンカ」にマスターリースすることになったとのことです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事