若い世代が続々入居する「いい感じ」な団地の秘密 埼玉・草加市 シェア工房や菜園・ピザ窯付き
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地元出身アーティストのライブで閉幕。居心地のよさは抜群です(写真撮影/刑部友康)
課題からはじまったプロジェクト
とはいえ、「青空ごはん会」に至るまで、建物のリノベも、コミュニティの形成もかんたんなものではありませんでした。まず、このプロジェクト再生を主導した東武鉄道の生活サービス創造本部 沿線価値創造統括部 企画開発担当の根本悠さんに話を聞いてみました。
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リノベーションプロジェクトを手掛けた東武鉄道の根本さん。イベントの開始挨拶でも、このプロジェクトに対しての熱い想いを話していました(写真撮影/刑部友康)
「プロジェクトのはじまりは、自社が保有する社宅をどう活用するか、というものでした。建物は1972年築なのでエレベーターはありませんし、室内も和室と畳、押入れで、今のライフスタイルに合わない。ただ、建物の調査をしたところ耐震性や基礎などに問題はない。
一方で建築費が上昇しており、建て替えて賃貸住宅にしても、賃料収入で利益を得るのも容易ではありません。コストを抑えつつ、建物を利活用したいというのが目的です」(根本さん)
確かにリノベ前の室内は、キッチンのガスコンロは据え置きタイプ、部屋は和室と押入れで、昭和感が拭えません。また、社宅ということもあり、敷地は閉鎖的でどこか暗い印象でした。そしてもう一つ、「住むまち」としての課題もありました。
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リノベ前の社宅の内観写真。築年数が経っていることもあり、建物の古さが目立っていました(写真提供/東武鉄道)
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