日本の観光業を苦しめる「"安すぎる"値付け」問題 日本は「観光"未"立国」だ!残念すぎる現状

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熊野古道を歩く観光客
日本の観光業界が抱えている問題とは?(写真:まちゃー/PIXTA)
2024年の訪日外国人観光客は、数も観光消費額も過去最高記録を更新。好況に沸くインバウンドに大きな期待が寄せられる一方で、「日本の観光業界は、きちんと稼げていない」とシビアな現実を指摘する声もある。
発するのは、立教大学客員教授の永谷亜矢子氏だ。
富山県で県政エグゼクティブアドバイザーを務めるなど、全国の各地域で観光の最前線に立つ永谷氏にとって、「人は来ているけどきちんとお金が落ちていない。特に地方はその傾向が強い」という現状は歯がゆくて仕方ないと言う。
そんな思いを1冊の本にまとめたのが新刊『観光〝未〟立国~ニッポンの現状~である。
本記事では、同書を再編集しながら、日本の観光業界が抱える問題点を解説する。

熊野古道の現地ガイド、いくらか知っていますか?

観光客は来ているけれど、それが地域を潤す観光諸費にきちんと結びついているのか。この視点で見ると、日本の観光業界にはまだまだ課題が山積みだと私は感じています。

そのことがわかりやすく感じられる事例をひとつ挙げましょう。

紀伊半島に広がる巡礼路として、2004年に世界遺産にも登録された熊野古道では、神秘的な山道を歩くウォーキングツアーが人気です。日本では1000年以上前から熊野三山に詣でようと、人々がこの道を通ってきました。

この熊野古道の散策が今、海外の人にとても人気で、富裕層と呼ばれるインバウンドの人たちもたくさん訪れています。

日本の神道を感じさせる大杉の森を歩き、熊野本宮大社に詣でることは訪日外国人にとって、とても魅力的な体験なのでしょう。

たった数時間の散策のために、京都から10万円近くを払ってタクシーで乗り付け、ウォーキングし、またタクシーで帰っていくという旅行者もいるとか。

いい悪いはさておき、それくらいのコストをかけても挑戦したいアクティビティということです。

そんな熊野古道ですが、現地で案内役のガイドの方を雇うと、いくらかかると思いますか? 

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