KDDI「53歳新トップ」に試される"5Gの次"の戦い 競合は大胆投資を加速、変化の時代どう挑む?

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一方のKDDIは、既存の5Gの着実な整備を軸にしたうえで、スペースXとの連携やイライザに対する出資に見られるように、パートナーとの提携を入り口に、新分野には手堅く着手する傾向が目立つ。

業界関係者の間では、「KDDIは業界2位のポジションが長年定着してきたからか、競合他社の動きの様子をみる傾向がひときわ強い印象だ」(総務省幹部)との声も多い。

AI投資にはいったん慎重?

準備万端、用意周到――。それが松田氏の好きな格言だという。

こうした言葉を体現するかのように、2月5日の決算説明会で、今後のさらなるAI投資について問われた松田氏は、「必ず業務を含めてAIを使っていくことは間違いないが、どこまで(投資を)踏み込むかなどの考えは変えていない。AIのいろいろな新しい技術がまだまだ日進月歩で出てきているので、それをきちっと見極めながら投資をかける方針だ」と説明し、慎重な姿勢を示した。

もっとも、変化の激しい時代には、大胆な意思決定が飛躍的成果につながることもあり、技術トレンドの変化への対応が遅れること自体がリスクになる場合もありうる。「準備万端は『先読み』とセットで考えている」(松田氏)。

5GからAIの時代へ。新たな局面を迎えつつある今、巨大な資本力を持つ通信会社のトップとして、どのようなテクノロジーの将来像を描いてコミットしていくのか。これから、松田氏の判断が問われる。

茶山 瞭 東洋経済 記者

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ちゃやま りょう / Ryo Chayama

1990年生まれ、大阪府高槻市出身。京都大学文学部を卒業後、読売新聞の記者として岐阜支局や東京経済部に在籍。司法や調査報道のほか、民間企業や中央官庁を担当した。2024年1月に東洋経済に入社し、通信業界とITベンダー業界を中心に取材。メディア、都市といったテーマにも関心がある。趣味は、読書、散歩、旅行。学生時代は、理論社会学や哲学・思想を学んだ。

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