泣く子も眠る!「ハイテク照明」が続々登場 照明なんてみんな同じだと思ったら大間違い
具体的にどのような強さやスペクトラムの光が脳に影響を与えるかについては、研究の最中だ。睡眠を促すだけでなく、注意力や生産性、学習の効率を高める方法も模索されている。
レンセラー工科大学のフィゲイロによると、赤色の強い光は、メラトニンの分泌を抑制せずに活動性を刺激すると考えられる。彼女が指導する学生のひとりは、光の色より強さを変えることによって、活力のレベルを調整できるかもしれないと述べている。
ブラウン大学は、光の明るさとスペクトラムの両方に注目して、思春期に学校で集中力を維持する照明システムを開発している。
「青い光だけを使うほうが、(眠くならないように)体内時計を調整するという意味では好ましいかもしれないが、学習に必要な覚醒としては不十分だ」と、子供や思春期、若年期の睡眠について研究しているメアリー・A・カースカドン教授は言う。「集中力も学習能力も伸ばすような、最適な組み合わせを見つけたい」
LEDや技術、ワイヤレス通信が発達した現代だからこそ、研究室で開発した照明システムを、手頃な値段で広く普及させることが可能になると、カースカドンは語る。
母親の強い味方
一般の電球より高い商品を、どの程度なら「手頃」と考えるかは、消費者が何を重視するかによる。フィリップスのHueの基本パックは、電球3個と、ルーターに接続するハブが1台で約200ドル。バラ売りの電球は1個約60ドル。GEのAlignの「AM(午前)」と「PM(午後)」の電球は、それぞれ25ドルと20ドルだ。
ライティング・サイエンス・グループは価格の引き下げを目指しているが、現在はグッドナイトが約60ドル、アウェイク&アラートは約70ドルだ。
しかし、1個約30ドルのスリーピー・ベイビーは、理想的な消費者に狙いを定めているようだ。赤ちゃんにぐっすり眠ってほしい親はたくさんいる。
「命の恩人よ、特に働く母親にとって」と語るのは、栄養士のスーザン・L・シーハン。彼女は娘のケイトが5カ月のとき、隣人からお祝いにもらったスリーピー・ベイビーを子供部屋につけた。すると、夜遅くに起きてオムツを交換する回数がぐんと減った。「少しぐずるときはあっても、すぐにまた眠ってしまう」
「新米の母親は、自分とわが子がよく眠れるために、何でも試してみるつもりがある」と、ミズラキ・クラフトは言う。「私も基本的には自分のために、息子には早い時間から朝までぐっすり眠ってほしい」
(執筆:DIANE CARDWELL、翻訳:矢羽野薫)
© 2015 New York Times News Service
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