ソフトバンク、「AIに異次元投資」で浮上する焦点 自信満々の孫会長、OpenAIとも急接近
顧客第1号となるのが、ソフトバンクグループ。まさに「隗より始めよ」というスタイルだ。まずはグループ各社がクリスタルを導入し、傘下のソフトバンクでは1億以上のタスクを自動化するほか、イギリスの半導体設計会社であるアーム・ホールディングスもイノベーションを加速させるという。
![ソフトバンクグループの孫正義会長](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/570/img_29f892f276c4fb93542cc3e970ee0177757397.jpg)
クリスタルの開発・運用への対価として、ソフトバンクグループはSB OpenAI Japanに年間4500億円を支払うと表明。孫会長は、会場に居並ぶ有力企業のトップたちを諭しつつ、次のように桁違いのビジョンをぶち上げた。
「OpenAIは大変な設備投資をしているけれども、まだ赤字じゃないか、大丈夫か、儲かるのか、回収できるのかという話があるが、たった1社の契約で年間4500億円入るんですよ。10社で4兆5000億円ですよ。ソフトバンクグループのような会社、世界に少なくとも100社以上あります。100社に100個のクリスタルを入れると、45兆円。ねえ、その頃になるとシステム費用だとかいろんなものを足しても十分に利益が出るようになる」
桁違いの計画を続々と披露
このわずか2カ月の間に、孫会長は異次元のプロジェクトを一気にぶち上げてきた。
昨年12月16日、アメリカ大統領選を終えたばかりのドナルド・トランプ氏と、突如として共同記者会見に臨んだ孫会長。ソフトバンクグループがアメリカに1000億ドル(約15兆円)を投資し、少なくとも10万人の雇用を創出すると発表した。
その際、トランプ氏は「1000億ではなく2000億ドルにする?」「2000億ドルの投資・・・・・・素晴らしい」と畳みかけ、得意の“ディール”を仕掛けてきた。それに対して孫会長は、「約束は100(ビリオンドル、1000億ドル)だ」「彼は優れた交渉者だ」と返すなど、一見すると社交辞令的に受け流したかに思われた。
それから1カ月後の今年1月21日、孫会長はOpenAIのサム・アルトマンCEOとオラクルのラリー・エリソン会長を伴い、大統領就任2日目のトランプ氏と再び会見に登壇。手土産に引っ提げてきたのは、今後4年間で5000億ドル(約75兆円)をアメリカ国内のAIインフラに投資するという、けた違いの計画だった。
Stargate Projectと称される新会社にソフトバンクグループとOpenAI、オラクル、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の投資会社であるMGXが出資。トップには孫会長が就任し、財務管理をソフトバンクグループ、運営をOpenAIが担う。すでにテキサス州ではこのプロジェクトの一環として、データセンターの建設が始まっているという。
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