国家統計局のデータによれば、一定規模以上の発電所による2024年1月から11月までの発電量は前年同期比6.14%増加した。この増加分の7割以上をクリーンエネルギー発電(訳注:太陽光、風力、水力、原子力などによる発電)が占めている。
発電以外の石炭需要に目を転じると、化学工業セクターの需要は引き続き好調を維持し、2024年1月から10月までの石炭消費量は前年同期比7.7%増加した。
それとは対照的に、不動産不況(による新規着工減少)の影響が深刻な鉄鋼業界やセメント業界の需要は低迷している。同じ期間の石炭消費量は鉄鋼業界で3.3%、セメント業界で7.4%それぞれ減少した。
石炭相場は弱含みで推移
供給の増加と需要の停滞を背景に、中国国内の石炭相場は下落している。1キログラム当たり発熱量5500キロカロリーの発電用石炭のスポット価格は、2024年初めの1トン当たり932元(約1万9800円)から、同年末には同767元(約1万6300円)に低下した。
こうした現状から、前出の信達証券は2025年の国内炭の生産量が前年比1%前後の微増、海外炭の輸入量は前年比横ばいにとどまると予想している。
石炭相場も弱含みで推移しそうだ。国信証券は調査レポートの中で、2024年末時点の石炭在庫がすでに高水準にあることや、2025年も供給が需要を上回る見通しであることから、市場価格はゆるやかな下落が続くという見方を示した。
(財新記者:廬羽桐)
※原文の配信は1月18日
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