世界が震撼「DeepSeek」創業者による問題提起 中国の現状への率直な意見、現地でも話題に

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世間的には彗星のように現れたDeepSeekだが、創業者の梁CEOが2015年から率いるクオンツファンド「幻方量化(High-Flyer Quant)」は、業界で「我が道を行く」企業として知られ、同CEOが2023年5月にDeepSeek(当時は「深度求索」という中国名が前面に出ていた)を立ち上げた際も、「独自の手法で面白いことをやるのではないか」と一部で注目されていた。

梁CEOは公の場に出たり、取材を受けることがほとんどなく、DeepSeekに関するインタビュー記事はテクノロジーメディア「36Kr」とその傘下メディアである「暗誦waves」の2本しか見つからない。いずれも同じ記者が2023年5月、2024年7月に取材・記事化している。

露出が極端に少ないため、「神秘的な経営者」「東洋の神秘的なAI企業」という見方もされるが、実はQ&A方式の梁CEOインタビュー記事は非常に長く、「技術」以外の多くの情報が詰まっている。

「好奇心」「金儲けのつもりはない」

取材側の視点でいうと「取れ高が少ない」経営者なのかもしれない。AIの未来もビジネスモデルも語らない。「好奇心でやっている」「お金を稼ぐつもりはない」と繰り返す。梁CEOが「ピュアな技術オタク」「理想主義者」であることが伝わってくる。

DeepSeek 中国 梁文峰
李首相との会談に参加した梁CEO(写真:Best Image/アフロ)

かつての中国にこういう起業家がいなかったわけではない。1999年にアリババを創業したジャック・マー氏は売り上げが立つ前からひたすら理想の社会を語り、数年は「ほら吹き」呼ばわりされていた。

梁CEOは混迷が続く中国経済界、あるいは中国社会にとって、ジャック・マー以来数十年ぶりに現れた「誰もがわくわくする存在」なのかもしれない。

梁CEOの発言録から、DeepSeekとその創業者の目指すものを読み解きたい。

➀ファンドから生成AIに進出した理由

梁CEOは2015年にクオンツファンド「幻方量化」を設立し、同社が出資する形で2023年5月にDeepSeekを立ち上げた。

2022年11月末に公開されたChatGPTをきっかけに、中国でもバイドゥ(百度)、アリババ、バイトダンス(字節跳動)からスタートアップまで、多くのテック企業が生成AIへの参入を宣言した。そのころには、すでに参入過剰が問題視されていた。

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