広瀬すず「クジャクのダンス」に"考察祭り"の予感 VIVANT、あな番など他の考察ドラマとの違い
父の手紙をどう受け止めればいいかわからない心麦。手紙の真偽を疑い、彼女からの依頼を断るも、弁護士としての信念から迷う松風。そこに東賀山事件を追っていた週刊誌記者・神井孝(磯村勇斗)が現れ、心麦の知らない真実を匂わせる。
現在と過去の2つの事件が複雑に交錯することを巧みに描いて第1話は終わった。そのラストでは、物語が前に向かって大きく動き始めるのと同時に、心麦の出生にまつわる大きな謎が投げかけられた。
文句なしの正統派ミステリーの序章だった。
誰もが怪しい主人公・心麦の周囲の人たち
第1話から浮かび上がった多くの謎。
そのひとつは、春生の残した手紙に記された友哉を含む5人は誰なのか。春生と東賀山事件とどう関係していくのか。これから毎週ひとりずつ素性が明らかになっていくのだろう。
そして、心麦の周囲の怪し過ぎる人たち。春生とともに東賀山事件を解決した刑事であり、頑なに友哉を犯人と主張する赤沢正(藤本隆宏)、父を亡くした心麦を気遣っているようで金銭面を含めて彼女を管理しようとする目つきが怪しい伯母の木村夏美(原日出子)、父から娘への手紙を託されていたラーメン屋台の店主・染田進(酒井敏也)、そして死刑囚の力郎。誰もが心麦に対する腹黒い一面を持っていそうだ。
最初のカギになる謎は、第1話のラストで神井に振られた心麦の出生の秘密だ。これはすぐに明らかになるのだろう。心麦は、東賀山事件で惨殺された一家の唯一の生き残りであることがわかりやすく示されていた。これが入り口になって、東賀山事件と春生殺人事件が結びついていくに違いない。
そこから、現在と過去のふたつの事件につながる謎がひとつずつ紐解かれていくはずだ。
一方、第1話では謎とともにわずかなヒントもにじませていた。そのヒントがつながっていく道筋も絶妙な塩梅でうっすらと示されており、まさに正統派ミステリーの王道を行くであろう名作ぶりを見せた。
冬ドラマの真打ち登場。この先、SNSの考察まつりと、それを扱うネットニュース、独自に分析するメディアなどが、多いにシーンを盛り上げそうだ。
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