中居さん引退で続出「番組サイトの削除」の違和感 オールドメディア批判加速、業界の倫理観が議論に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最近SNSユーザーが、マスメディアを「オールドメディア」と呼んで批判するのは、まさにその現れだ。今回の対応によっては、さらに視聴者のテレビ離れが進むだろう。すでに主導権は、放送局ではなく視聴者が握っている。

評価軸は「顧客離れの防止」に変化している

主導権を持つのは、スポンサー企業も同様だ。もし少しでも「テレビは広告効果があるんだから、黙って広告出稿すればいい」といった雰囲気を感じさせてしまえば、このまま離れていってしまいかねない。

これはCM見合わせが相次ぐフジだけでなく、民放テレビ局全体に共通したリスクだ。すでに評価軸は「顧客認知の向上」よりも、「顧客離れの防止」に変化しつつある。加点ではなく失点で判断したとき、いくら広告効果が高くとも、購買層にウケる他媒体へと移行する可能性は少なくない。

つまり、すでにこれは中居さん個人でも、企業としてのフジテレビでもなく、日本のテレビビジネス全体が岐路に立たされているのだ。マスコミは「権力監視」を掲げているが、自身が持つ「強大な権力」については自己批評が足りていない。

もし権利を乱用していると感じさせれば、一気に状況が変化してもおかしくない。フジ・港浩一社長の「閉鎖的な会見」を境に、スポンサーが一気に出稿見合わせを決め、あっという間にACジャパンのCMだらけになった。

1月23日のフジ社員向けの説明会で、港社長は「(会見が)終わって失敗したと思いました」と語ったというが、時すでに遅しだ。テレビ各局はいま、一挙手一投足が注目されていて、そのどれが命取りになるかわからない。「サイトの即削除」もまた、その一端になり得るのだ。

【もっと読む】会社擁護で炎上「フジ男性アナ」に私が同情する訳 注意不足だが、彼も今回の騒動に巻き込まれた側だ では、批判を集めたフジテレビアナウンサーの発言について、コラムニストの城戸譲氏が詳細に解説している。
城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事