中居さん引退で続出「番組サイトの削除」の違和感 オールドメディア批判加速、業界の倫理観が議論に
最近SNSユーザーが、マスメディアを「オールドメディア」と呼んで批判するのは、まさにその現れだ。今回の対応によっては、さらに視聴者のテレビ離れが進むだろう。すでに主導権は、放送局ではなく視聴者が握っている。
評価軸は「顧客離れの防止」に変化している
主導権を持つのは、スポンサー企業も同様だ。もし少しでも「テレビは広告効果があるんだから、黙って広告出稿すればいい」といった雰囲気を感じさせてしまえば、このまま離れていってしまいかねない。
これはCM見合わせが相次ぐフジだけでなく、民放テレビ局全体に共通したリスクだ。すでに評価軸は「顧客認知の向上」よりも、「顧客離れの防止」に変化しつつある。加点ではなく失点で判断したとき、いくら広告効果が高くとも、購買層にウケる他媒体へと移行する可能性は少なくない。
つまり、すでにこれは中居さん個人でも、企業としてのフジテレビでもなく、日本のテレビビジネス全体が岐路に立たされているのだ。マスコミは「権力監視」を掲げているが、自身が持つ「強大な権力」については自己批評が足りていない。
もし権利を乱用していると感じさせれば、一気に状況が変化してもおかしくない。フジ・港浩一社長の「閉鎖的な会見」を境に、スポンサーが一気に出稿見合わせを決め、あっという間にACジャパンのCMだらけになった。
1月23日のフジ社員向けの説明会で、港社長は「(会見が)終わって失敗したと思いました」と語ったというが、時すでに遅しだ。テレビ各局はいま、一挙手一投足が注目されていて、そのどれが命取りになるかわからない。「サイトの即削除」もまた、その一端になり得るのだ。
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