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これからの日本に本当に必要な株式市場とは何か 投資量を増やし株価を膨らませても意味がない

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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本来、こんな投資話が来たら、まともな人間だったら、即刻無視するだろう。典型的な詐欺的な投資勧誘案件と、言っていることがほとんど同じであるからである。唯一違うのは、そして大きく違うのは、その勧誘主が政府であり、かつ証券取引所のお墨付きがあり、かつ世間では株式投資は長年、誰でも行っていることはよく知っていることである。これが先だったら、すべての投資の勧誘は詐欺になってしまう。

個人投資家にも「少しだけ利益をあげる」という側面も

中立的に述べると、株式市場というものは、仲間を増やすことによって参加者の多くが儲かる仕組みであり、その意味ではねずみ講とまったく同じである。

だが、ねずみ講として違法とされているものは、投資の実態がないものであるから、その意味では、違法なねずみ講とは決定的に異なる、ということである。ひとことで言えば、株式市場とは「合法的な『実体のあるねずみ講』」なのである。これは私の『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)の前書きにも書いてあるとおり、私の長年の主張であり、そして間違いなく正しい。

問題は、実体は本当にあるのか。ねずみ講的なものがなくても、上場株式投資は成り立つのか、という点にある。

理論的には、答えはもちろんイエスであるし、あるべき論としても、イエスである。問題は、このポイントが現実社会では無視されていることにある。

結論から言えば、ちゃんと実体はあるし、詐欺ではないが、一般的な個人投資家などは得られる利益が相対的に少なくなり、その分を先行している有力投資家、経済の支配者(よく使われる言い方をすれば、有力資本家層)が利益を膨らませている、ということである。

要は、割高な上場株を押し付けられ、「君らは投資機会がないだろうから、この機会を与えてあげるよ、初心者なんだからこのくらいで満足しておけ」ということなのである。

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