「中国との一体化」に悩む台湾、総統選挙は現職が再選

690万票対610万票。「接戦」とされた台湾総統選挙戦だったが、結果は国民党の馬英九総統が、対立する野党・民主進歩党(民進党)候補の蔡英文主席に80万票差をつけて圧勝した。

今回の選挙は、台湾の有権者にとって「不満」と「不安」のどちらを選択するかが焦点となった。「不満」とは馬総統の1期目の実績に対する不満、そして「不安」とは、民進党の対中国政策に対する不安である。

2008年に就任した馬総統は「経済建設633計画」を公約として掲げた。これは経済成長率6%以上、失業率3%以下、1人当たりGDP(国内総生産)3万米ドル以上を達成するというものだ。しかし、直後に発生したリーマンショックによる世界景気の悪化に加え、もともと野心的な公約だったこともあり、いずれも達成されていない。任期中(08~11年)の年平均実質GDP成長率は3・4%、1人当たりGDPは2万0242米ドル(11年)と、公約とは程遠い実績に終わった。

景気は回復傾向にあるものの、成長実感の弱さや若年層の失業問題、不動産価格の高騰などへの不満は根強い。台湾で著名な経済評論家・馬凱氏の、「今回の選挙では経済問題をあいまいにし、何ら解決策を打ち出さなかった。今後もこの状況が続くと台湾経済は衰退する」との警告は、誰もが共感できるものである。

それほど不満が強いのに、なぜ当選できたのか。それは、対立する民進党が、大陸中国とどう付き合っていくか、国民党以上の明確で合理性のあるビジョンを打ち出せなかったからである。 

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