「中国との一体化」に悩む台湾、総統選挙は現職が再選

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この問題は結局、「92年コンセンサス」(九二共識)をどう解釈するかという、選挙戦で最大の争点に発展した。92年コンセンサスとは、中国は台湾にとっては中華民国、中国にとっては中華人民共和国だが、「台湾も含めて中国は一つ」という点で違いはないから、政治問題化を避けて交流を進めよう、という合意のことだ。1992年に中台交渉関係者が口頭で交わしたとされ、国民党はこの合意を重視しているが、民進党は台湾を中国とは別の国とする立場のため、受け入れていない。

中国との関係深化は台湾人の本心ではない

このため、00年から8年続いた民進党政権は中国とは距離を置き、さまざまな中台間の摩擦も生じた。

馬総統は逆に、このコンセンサスを基に対中経済交流を積極化し、成長センターである中国を利用する戦略に打って出た。中国との直行便の開設・拡大や中国人観光客の受け入れ拡大、対中投資規制や中国からの投資受け入れに関する規制緩和などを行った。10年には中国との間で「ECFA」(両岸経済協力枠組み協定)を締結。これは実質的なFTA(自由貿易協定)となり、品目ごとに段階的に関税が引き下げられている。 

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