日本の漁業が「自滅」に向かっていく根本原因 資源管理制度の不備が原因で魚はもっと高額に…
「自主管理」という今までのやり方でよいという耳触りがいい言葉の代償は、全国で魚が獲れなくなって起きている地域社会の崩壊です。しかし漁業者の方々も何かおかしいことに気づき始めました。
それ本当に増えていますか?
ある地域や県でサケが獲れた、スルメイカが豊漁だった、などと報道されることがあります。全国では漁獲量が大きく減っていても、地域によって今年は獲れたという事例があります。個々の事象は事実としても、ミクロではなく、マクロで判断することがとても重要です。
同じ魚種でもがA県で豊漁でもB県では不漁といったケースがあります。これは同じ資源の回遊経路による影響にすぎないことが多いので、あくまでも同じ資源の全体量で考えないと誤解が起きてしまいます。
また漁獲量が激減してしまっているのに、翌年に漁獲量が増加するとその数量に対して「前年比何割増」とか「何倍」と報道されることがあります。これも数字自体は合っていても、実質的な量はまだまだ少ない場合がほとんどです。「豊漁」「大漁」といった言葉の響きはいいかもしれません。しかしながら根本的に、資源管理制度の不備で何もよくなっていないケースばかりです。
昨年(2024年)はサンマの漁獲量が年間約4万トンとなり、前年比58%増と報じられましたがつい10年ほど前かそれ以前の20~30万トンという漁獲量に比べればたいしたことはなく、大漁にはほぼ遠いのです。マスコミも少しずつ、過去に比べて解説するケースが出てきています。そのためにも、本質的なことが理解されるまで、繰り返し発信し続けます。
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