また議会共和党内でも、8年前はトランプ氏に対する反対勢力が健在であったが、いまや衰えている。現在の共和党は完全にトランプ党と化していて、2017年当時の主流派は片隅に追いやられ、もともと片隅にいたトランプ氏をはじめMAGAが党の主流派となっている。
さらには対抗する民主党は方向性を失っている。
民主党内でトランプ氏に歩み寄る動きも
2024年大統領選で、民主党は支持基盤である労働者票をトランプ氏に多く奪われた。2016年大統領選と異なり、総得票数でもトランプ氏が民主党候補のハリス氏を上回ったことで、党が迷走しているかのようだ。
民主党内では全般的にはトランプ批判は続く。だが、民主党の中にはジョン・フェターマン上院議員(ペンシルベニア州選出)のように、年初にトランプ氏のフロリダ州の私邸「マールアラーゴ」を訪問するなど、トランプ氏に近づいている政治家もいる。
不法移民の取り締まり強化を図るレイケン・ライリー法案では、民主党上院議員12人もが賛成票を投じ共和党に協力した。このように、民主党内では共和党やトランプ氏に歩み寄る新たな動きが散見される。
2.0発足直前、トランプ氏が2期目に良い仕事をすると見る国民は56%に上った。1.0発足直前では48%であったことからも、今回は国民の期待が高い。
「黄金時代が始まった」とトランプ氏は就任演説で述べ、トランプ政権発足とともに国民が懸念するインフレ問題に加え、不安定な世界情勢なども解決されるかのごとく語った。
だが、これら問題の早期解決は容易ではない。
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