「異性交遊で謝罪」人気アイドルが生きる"理不尽" 理想を押し付け誹謗中傷するファンにも問題
結論を言えば、メンバー側が、加入するときに決めた契約内容やメンバー間のルールに従っているのであれば、それを超えた「覚悟」や「自覚」については、メンバー自身がそれぞれ選択していくことだと思います。
契約や自分たちで決めたルールは守るべきである一方、覚悟や自覚には明確な基準がなく、メンバーによって異なります。
メンバーの中で一番高い覚悟や自覚を持ったメンバーに全員の基準を合わせるという方針もあるかもしれません。実際ファンからしても覚悟のあるメンバーは魅力的に映るでしょうし、芸能事務所側にとっても、ファン獲得になるので望ましい状態かもしれません。
しかし、宝塚歌劇団の自死事件に関する調査報告書にも「芸事は極めようとすると際限がない」と明記されているように、メンバー側にアイドルとしての自覚を求めれば、際限なくプライベートに介入できてしまいます。
特に10代20代というのは成長が著しい時期で、価値観もどんどん変化します。
加入後の成長とともにアイドル活動以外のことについても興味を持つことは人として自然であり、それを「覚悟」や「自覚」といった言葉で潰してしまえば、活動を継続できなくなりますし、成り手も減ります。
「自覚」の基準をメンバーに委ねるのも一つのあり方
アイドルとして5年10年単位での活動継続と、人としての成長環境の両立は重要な課題です。アイドル側が契約やルールを守ったうえであれば、「どの程度プライベートを制限するか」はメンバー個人の判断に委ねてよいのではないかと思います。
もちろん、恋愛感情を求めてくるファンは望まない交友関係が発覚することで離れていく可能性もありますが、それはメンバー自身が一番理解していると思います。そのうえでの各メンバーの選択と行動については、周りも受け入れる優しさが必要なのではないかと思います。
法律やルールと覚悟や自覚は異なります。覚悟や自覚というのは、自分自身に対してのみ課していいものであり、他人に求めたり、ましては強制したりはできないものです。
一方的な理想の押し付けから「裏切られた」と感じ、匿名で誹謗中傷することは犯罪に該当する可能性があるだけでなく、とても恥ずかしいことです。匿名で投稿しても発信者情報開示請求により特定されることもあります。推し活最後の思い出が、誹謗中傷についての開示請求を受けることになれば、それこそ最悪の思い出として残るでしょう。
グループにメンバーがいて、それぞれ覚悟や自覚は異なる。それでも、全員がファンにとっては替えのきかない存在であり、現実にグループとしても成り立っているのであれば、それはアイドルグループとしての一つのあり方だと思います。
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