知って安心、老親のことで困った時の駆け込み寺 無料での自宅訪問や電話相談もできる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

:就業規則を読んで介護の休みについて調べてみたら、もう1つやってほしいことがあります。

K:なんでしょうか?

:社内に介護の相談窓口があるかどうかを調べてください。社内にはなくて、外部の専門窓口と提携したり、福利厚生でカバーしたりしているケースもあります。

K:わかりました。今すぐパソコンで調べられるのでお待ちください。……あれ? どちらも、うちの会社にはなさそうですね。

:なるほど。Kさんの先輩が親のことをまわりに言っていない理由の1つに、ひょっとしたら近くに窓口がなくて、相談できなかった可能性がありますね。

K:うちの会社みたいに、近くに相談窓口がない場合は、どうしたらいいですか?

:その場合は、「地域包括支援センター」があります。

K:はじめて聞く名前です。

老いた親のことで困ったときの駆け込み寺

:地域包括支援センターは、よく「包括」と省略されるので、ここでもそう呼ぶことにしますね。包括は、地域で暮らす高齢者を支援する公的な無料相談窓口で、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその家族などが利用できて、専門職が配置されています。

K:無料はありがたいですね。その包括っていうのは、どこにあるんですか?

老いた親の様子に「アレ?」と思ったら
『老いた親の様子に「アレ?」と思ったら』(PHP研究所)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

:小中学校の学区にだいたい1つは設置されているので、Kさんのご両親が住む地域にも必ずあるはずです。包括では、高齢の親に関する不安や悩みについて、なんでも相談できます。本格的な介護がはじまる前のことでも大丈夫です。たとえば「親が家に閉じこもってテレビばかり観みている」とか「親の体力が低下してきたので、健康教室を教えてほしい」といったことでも構いません。

K:へえ〜、そんなことでもいいんですか。

:しかも、直接窓口へ行ったり、自宅へ訪問してもらったりするだけでなく、電話での相談も受けつけているので、離れて暮らす家族も利用しやすいのがメリットです。そして、いよいよ「親の様子がおかしい」「認知症かも」という段階になったときも、まずは包括に相談するといいですよ。なにをすればいいのか、介護のプロが具体的にアドバイスしてくれます。「老いた親のことで困ったら包括に相談」と覚えておくだけでも安心感が違います。

K:近くに相談できる人がいなくても、そういった駆け込み寺的な場所があることを知っておくだけでも、気持ちが軽くなりますね。

:そうですね。親の老いや介護についてまったく知識がないし、なにからはじめればいいのか見当もつかないという人は、まずは親が住んでいる自治体のサイトや広報紙などで、包括の場所と連絡先を調べることからはじめてみましょう。

工藤 広伸 介護作家、ブロガー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くどう ひろのぶ / Hironobu Kudo

1972年、岩手県盛岡市生まれ。2012年、40歳のときに認知症の祖母と母のダブル遠距離介護がはじまり、介護離職。その後、介護ブログを立ち上げ独立。新聞やWeb メディアなどでの執筆活動を中心に、大手企業や全国の自治体で講演活動をしながら、現在も介護と仕事の両立を続けている。途中、悪性リンパ腫の父も介護し、看取る。独自の介護の工夫やノウハウが、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」など、多数のメディアで紹介される。

●ブログ「40歳からの遠距離介護」
 https://40kaigo.net/

●音声配信Voicy「ちょっと気になる? 介護のラジオ」
 https://voicy.jp/channel/1442

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事