知って安心、老親のことで困った時の駆け込み寺 無料での自宅訪問や電話相談もできる
工:就業規則を読んで介護の休みについて調べてみたら、もう1つやってほしいことがあります。
K:なんでしょうか?
工:社内に介護の相談窓口があるかどうかを調べてください。社内にはなくて、外部の専門窓口と提携したり、福利厚生でカバーしたりしているケースもあります。
K:わかりました。今すぐパソコンで調べられるのでお待ちください。……あれ? どちらも、うちの会社にはなさそうですね。
工:なるほど。Kさんの先輩が親のことをまわりに言っていない理由の1つに、ひょっとしたら近くに窓口がなくて、相談できなかった可能性がありますね。
K:うちの会社みたいに、近くに相談窓口がない場合は、どうしたらいいですか?
工:その場合は、「地域包括支援センター」があります。
K:はじめて聞く名前です。
老いた親のことで困ったときの駆け込み寺
工:地域包括支援センターは、よく「包括」と省略されるので、ここでもそう呼ぶことにしますね。包括は、地域で暮らす高齢者を支援する公的な無料相談窓口で、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその家族などが利用できて、専門職が配置されています。
K:無料はありがたいですね。その包括っていうのは、どこにあるんですか?
工:小中学校の学区にだいたい1つは設置されているので、Kさんのご両親が住む地域にも必ずあるはずです。包括では、高齢の親に関する不安や悩みについて、なんでも相談できます。本格的な介護がはじまる前のことでも大丈夫です。たとえば「親が家に閉じこもってテレビばかり観みている」とか「親の体力が低下してきたので、健康教室を教えてほしい」といったことでも構いません。
K:へえ〜、そんなことでもいいんですか。
工:しかも、直接窓口へ行ったり、自宅へ訪問してもらったりするだけでなく、電話での相談も受けつけているので、離れて暮らす家族も利用しやすいのがメリットです。そして、いよいよ「親の様子がおかしい」「認知症かも」という段階になったときも、まずは包括に相談するといいですよ。なにをすればいいのか、介護のプロが具体的にアドバイスしてくれます。「老いた親のことで困ったら包括に相談」と覚えておくだけでも安心感が違います。
K:近くに相談できる人がいなくても、そういった駆け込み寺的な場所があることを知っておくだけでも、気持ちが軽くなりますね。
工:そうですね。親の老いや介護についてまったく知識がないし、なにからはじめればいいのか見当もつかないという人は、まずは親が住んでいる自治体のサイトや広報紙などで、包括の場所と連絡先を調べることからはじめてみましょう。
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