アップル、Siri訴訟の「和解金」が起こした波紋 「プライバシー保護」を声明で改めて強調

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アップルは公式声明で、

「Siriは、開発当初からユーザーのプライバシーを守るように設計されています。Siriのデータがマーケティングのためのプロファイルの作成に使われたことはなく、また、いかなる目的のためにも、他者に売ることはありません。サードパーティによるグレーディングに関する懸念については2019年にすでに対策済みであり、Appleはこれ以上の訴訟の長期化を回避し前進するため、和解しました。私たちは、SiriのデータはSiriを常に改良させるために使い、Siriのプライバシー保護をさらに強化する技術を日々開発しています」

と発表した。

Appleのプライバシーに関する4つの基本方針

そもそもこの訴訟が始まった2019年からアップルは一貫して「ターゲティング広告のためにSiriの録音を使用したことはない」と主張している。

また、ユーザーがSiriに対して話したことが、広告主と共有されることはなく、この訴訟やその他の場において、アップルがSiriの録音を広告のターゲティングに利用したという証拠は一切見つかっていない。

アップルには、個人情報を扱う際の『データの最小化』『デバイス内での処理』『透明性とコントロール』『セキュリティ』という4つの基本方針がある。

Apple
iPhoneのプライバシーとセキュリティの設定。一度、じっくりご確認いただきたい。各アプリに共有するデータなどもすべて明確化されているし、自分でオン/オフできる(写真:Apple)

『データの最小化』は、それぞれのアプリがアクセスできるデータを最小限にするということ。処理をするために必要以上のデータを取得することは許されていない。たとえば、地図でルート検索をした場合も、厳密な現在地は通信には乗せられておらず、ルートはいくつかに分けて送信され、デバイス上で組み合わされる。

『デバイス内での処理』は、基本的にセキュリティチップで管理されたiPhoneやMacなどのデバイス上でデータを処理して、極力通信上に乗せないというもの。デバイスから出さなければ漏洩のしようもない。

『透明性とコントロール』は、それぞれのアプリがどのデータを開くことができるのかを明示し、そのオンオフをユーザー自身が行えるようにすること。App Storeのアプリの紹介の中には、そのアプリがトラッキングに使う情報と、ユーザーに関連付けて扱う情報が明示されている。

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