子どもに「デパコスほしい」と言われた親の"正答" 「小学生には早い」と怒る人に知ってほしいこと

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とはいえ、ネット上では親世代の批判的な意見ばかりが目立つ。実際のところはどうだろうか。

美容に特化したコンサルティングファーム「ampule(アンプル)」が15歳以下の子を持つ親600名を対象に「中学生以下の子どものメイクについてどう思いますか?」という調査を実施。

すると、「メイクを早くから学ぶべき」と回答する人は約3人に1人おり、「周りの目は気にならない」と回答する人は約9割いた。また、安全性の面で不安があると答えた人は、約6割という結果になった。

こうした結果からも、安全性への配慮は求められるものの、実際にはキッズメイクに否定的な親ばかりではないということが言えるのではないだろうか。

調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年11月15日~16日
調査対象:15歳以下のお子様がいる女性 600名

小さな変化が子どもたちの自信に

昨年末には前出の小学生メイク本の出版を記念して、イガリさんが教える親子向けのメイクレッスンイベントが発行元の講談社で開催された。

本の中でモデルを務め、小学生向けギャル雑誌『KOGYARU』の専属モデルでもある、りゅあちゃんをゲストに迎えた会場には、豹柄やフサフサの尻尾、レッグウォーマーなど2000年代のギャル文化を思わせるようなファッションの子どもたちが多数押し寄せた。

りゅあちゃん
子どもたちから熱視線を浴びた、小学生ギャルモデルのりゅあちゃん(写真/大倉英揮撮影)

憧れのりゅあちゃんに会えたと喜ぶ子どもたちが、イガリさんや保護者のアドバイスのもとに涙袋やリップのメイクを笑顔で楽しむ様子はとてもハッピーな空気に包まれていた。イベントに訪れた小学5年生の子にメイクをする理由について聞いてみた。

「メイクは友だちに教えてもらいました。キラキラするものが好きで、キラキラをつけると嬉しいし、鏡を見るのが楽しくなります」

メイクイベント
講談社の講堂で実施された親子メイクイベント。いわゆる「ギャル系」だけでなく、ごく普通のファッションの親子も見られた(写真/大倉英揮撮影)
わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本
『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』(講談社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そうした小さな変化が、彼女たちの自信につながっているのだ。日本財団が2024年に日本や米国など6カ国で各1000人の若者を対象に実施した「18歳意識調査」(※)では、日本の若者の自己肯定感は他国の若者に比べても低いという。

​​イガリさんは、そういった日本の若者の自己肯定感を上げるためにもメイクが一助になればと話す。

時代とともに価値基準は移り変わる。キッズメイクについても、決して自分たちの時代の常識に当てはめずに、子どもたちと一緒に考えたり調べたりすることで、新たなコミュニケーションツールにもなるのではないだろうか。

(※)日本財団18歳意識調査結果 第62回テーマ「国や社会に対する意識(6カ国調査)」
イガリ シノブ ヘアメイクアップアーティスト

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いがり しのぶ / Shinobu Igari

BEAUTRIUM所属。雑誌・広告などの媒体で、多くの女優・モデル・アーティストから信頼を寄せられるヘアメイクアップアーティストであり、自身が提案するメイクが次から次へとブームを巻き起こすヒットメーカー。

2018年にはコスメブランド〈WHOMEE〉、2020年には〈SS by WHOMEE〉を始動。

主な著書に、『イガリメイク、しちゃう?』(宝島社)、『裏イガリメイク、はいどうぞ』(宝島社)、『イガリ印 365日メイク図鑑』(講談社)など多数。

2018年MBS「情熱大陸」にも出演。独自の発想とテクニックで提案するメイクアップは、国内のみならずアジアでもブームを巻き起こしている。

Instagram:igari_shinobu

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岡部 のぞみ ライター/編集者/「ampule」ブランディングマネージャー

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おかべ のぞみ / Nozomi Okabe

女性週刊誌・月刊誌の編集、創刊を経験後、紙媒体だけでなくWEBディレクター、読者コミュニティの企画運営などを担当。現在は、美容特化型イノベーションファーム「ampule(アンプル)」のブランディングマネージャーをしながら、女性の多様な働き方を発信するサイト「Paranavi(パラナビ)」編集長も務める

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