子どもに「デパコスほしい」と言われた親の"正答" 「小学生には早い」と怒る人に知ってほしいこと
「私自身、自分のコスメブランドをつくったときに『バイト2時間分』という価格設定にしました。昔、モデルさんに憧れてブログで紹介されていた4万〜5万円もする服を買い、借金を抱えてしまった友人がいたんです。そういうところで、どうしてもメディアの影響は出てきてしまいますよね。
あまりに高価な価格帯の商品を勧めてしまうと、大人との境目もなくなってしまいますし、度が過ぎると保護者の方も一緒に楽しめなくなってしまうのではないでしょうか」
そもそも小学生にコスメは不要?
かといって「子どもに化粧は必要ない」と突き放すのではなく「安全で楽しい美容への向き合い方」を早くから教えることが重要だという流れが、美容業界全体でも強まっている。
美容はメイクだけでなく、スキンケアもそうだ。大手化粧品会社コーセーでは、2024年から子ども向けのスキンケア事業「Dear Child Skin」が立ち上がっている。
イガリさんの本『わたしもまわりも笑顔になる 小学生のメイク本』でも、皮膚科学的な観点からキッズメイクとどう向き合うべきか、メイクとセットで考えたい肌の健康のことなどについて専門家に取材している。
「今の小学生にとって、メイク道具は文房具みたいなもの。不要といって切り捨ててしまうよりも、メイクをしたらちゃんと落とす、肌荒れしているときはメイクをしないなどのルールを決めて、安全に楽しむ方法を一緒に学んでいくことに目を向けてほしいです。
また、メーカーによっては子どもが使えるものとして公式サイトに情報を載せているブランドもあります。
日本では学校の校則でメイクを禁止されることがほとんど。ですが、就活のときになって急に、それまで禁止していたメイクをしなさいというのでは、当然うまくできないし子ども本人も戸惑いますよね。
もちろんルールは守らないといけません。ですが、ダンスが必修科目になったように、将来的には学校教育でもメイクとの向き合い方を授業に取り入れられるような社会になればいいなと思っています」