意外と知らない「神の国」日本が変遷した深い経緯 大人のための日本の「そもそも学」

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明治時代になると、日本は国力強化のため海外へと進出します。北米や南米、ハワイ、中国大陸、東南アジアなどにも日本人が住み始めると、各地に神社がつくられました。これらは「海外神社」と呼ばれ、世界各地に約1600カ所もあったといわれています。それほど、神々や神社は日本人にとっての心の拠り所として大切な存在だったのです。

しかし、しばらくするとまたもや大きな転機が訪れます。日本は1945(昭和20)年に第二次世界大戦で敗北しますが、この敗北がきっかけとなり、「国家神道」は解体されることになりました。アメリカのGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、当時の日本人をここまで勇敢に戦わせた根本が国家神道にあるとし、その信仰的脅威を取り除こうと考えたわけです。

(図:小林哲也・イラスト:瀬川尚志)

GHQによる占領政策とは?

前述のとおり、日本は第二次世界大戦で敗れました。このときには戦勝国からさまざまな条件を突きつけられています。ですから、私たちの生活の基礎は、その条件に合わせてつくられたといっても過言ではありません。

世界大戦終結後、日本をこれからどう占領していくのか、その条件を調整していた組織が「GHQ」で、日本語での正式名称は「連合国軍最高司令官総司令部」といいます。GHQは、日本国民に直で指示を出す「直接統治」ではなく、日本のトップに対して指示する「間接統治」を行いました。

間接統治ならば、表向きは日本政府が指示を出しているように見えるので混乱が起きにくく、GHQが表立って批判を受ける心配も少ないため都合がよかったのです。

では、GHQはどんな政策で日本を占領・支配していったのか。GHQには大きく2つの目標がありました。それは「非軍事化」と「民主化」です。

「非軍事化」というのは文字通り、日本から軍隊をなくし、二度と戦争ができないようにするというもの。GHQは、軍事関係施設や軍需工場を破壊するとともに、陸軍、海軍を解散させました。しかし、GHQはそれだけでは不十分と考えます。その軍隊を支える構造にも問題があるとしたのです。

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