「運をコントロールする」セレンディピティの法則 「幸運は降ってくる」と思う人が兆しを逃す理由
そのひとつひとつを確認してみよう。
1 ある人に何か予想外、あるいはふつうではないことが起こる。それは物理現象のこともあれば、会話のなかでたまたま出てきた話題のこともある。
これがセレンディピティ・トリガーだ。
2 その人がトリガーを、それまでかかわりのなかったことと結びつける。点と点を結びつけ、一見偶然のような出来事や出会いに、何か価値があるかもしれないと気づく。
こうして、それまで無関係と思われていた事実や出来事を結びつけることを「バイソシエーション」という。
3 重要なポイントとして、点と点を結びつけて実現した価値(洞察、イノベーション、新しい手法、問題への新たな解決策)はもともと期待されていたものでも、誰かが探していたものでもない(少なくとも探していた形ではない)。
それは、完全に予期せぬものだということだ。
――16~17ページより
セレンディピティにとって、サプライズや偶然が生じたというのも重要な要素なのだが、それは、最初のステップに過ぎない。
点と点をつなげるために必要なこととは
もうひとつ必要となってくるのは、“偶然の発見を理解し、使いこなす能力”だ。
それは複数の出来事、観察したこと、断片的情報の間に、(意外な)価値のあるつながりを発見し、クリエイティブに融合させていく能力を指す。
それには洞察力(雑多なものを選別し、価値あるものを見つける能力)と粘り強さ(最後までやり遂げる力)が必要になる。
――17ページより
これまでの人生を振り返ってみて、「本来であればセレンディピティが起こり得たのに、結果的には気づかなかった(あるいは、気づいていたが行動しなかった)」ために未遂に終わったケースは、実際のところ誰にでもあるものではないだろうか。
なにか小さなきっかけがあれば行動できたに違いない場面で、結局はなにもせず、あとになって後悔した経験がある方もいらっしゃるだろう(残念なことに、それは私も同じだ)。
だからこそ、セレンディピティ・マインドセットを身につけることが重要なのである。
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